Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。体力作り、俳句、山行、美術館・博物館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。

本日の俳句(101127)

2010年11月27日 20時37分35秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句
★西日さすビルの窓にも黄落を
★校庭の桜紅葉を踏む回顧
★吹き寄する落ち葉へ一歩ためらいて

 桜の紅葉というのは不思議に心惹かれる。葉の裏は一律に黄色、表は赤色から黄色までさまざまだ。そのグラデーションの美しいものもあり、葉の表全体が一色のものもある。一枚一枚の葉の形を見れば、穴が開いたり、周囲が色あせていたりして決して美しいとはいえないものの、全体としてみれば、散り敷かれているものも、木に残っているものも風情がある。
 落ちてくる葉も裏表の色の違いがあるので、思わずハッとすることもある。そして落ちてくる葉を見ると、落葉前の緑の時と比べると一回り大きく見える。色の違いがそのような錯覚を生むのだろうか。
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読書覚書(101126)

2010年11月26日 18時52分20秒 | 読書
「隣の病い」(中井久夫、ちくま学芸文庫)

「賃金、雇用、福祉というが最終的には「暮らしやすさ」「生きやすさ」であり、「公平感」「開かれた社会にある感覚」である。精神科医としては社会的緊張を最低限度に抑えることに眼がゆく。そのために賃金の適正と公平が望ましく、失業率が現状(1988年水準)あるいはそれ以下に抑えられることかも同じく望ましい。社会的緊張は犯罪の増加となって現れるが、ある程度以上の犯罪の増加は警察力によって抑制できない。優秀な人材を集めることが困難になるだけでなく、警察が犯罪に取り込まれるのは治安維持に失敗したいずれの国家にも見るところである。慢性的な低賃金と不安定な雇用は、また社会を担う層にまでアジア的構造汚職を浸潤させる。賃金、雇用、福祉は社会の安全費用として警察力や武力よりもずっと安価で副作用の少ないものである。」

 1988年のエッセイの一部だが、著者の20余年たって見通しの確かさにはうなずがざるを得ない。しかし、社会の一層のマイナス方向への深化には、唖然・うんざりである。
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本日の俳句(101123)

2010年11月25日 14時16分40秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句

  三渓園
★きざはしや桜紅葉の散る中へ
★ひと色に枯れ蓮立ちて揺れほのか

 23日午後、三渓園を散策。種々の紅葉・黄葉、秋の風情を楽しんだ。菊花展はこの日が最終日とのこと。江戸菊、伊勢菊などはじめてみる菊も楽しんだ。
 しかし久しく吟行などしていないので、なかなか句ができない。2~3時間歩いてようやく上記の2句のみ。

 さてこのブログ、最近は「本日の俳句」ばかり。マンネリ化してきていると自分でも思うが、思うように気分が前向きにならない。昔の美術展のカタログを引っ張り出してきて、当時の感動を思い出してブログに書いてみよう、エッセイ風に最近の思いを書いてみようなどと考えるものの、思考が途中で止まってしまう。
 もうしばらく頭の整理が必要なようだ。 
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本日の俳句(101123)

2010年11月23日 12時17分12秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句
★鳥去りて枯れ園に揺れ残る夕
★全身で今黄落を受けて立つ
★冬紅葉散るごと空のひとつ増え

 冬の枯れた風景は心に沁み込んでくる。私の好きな景色だ。特に夕陽に向かいながら影となった枯れ芒や枯れ木やの風情は飽きない。全身を冬の冷たい風が吹き抜けると、さまざまな想念が掃き清められるようだ。だからその様なときはコートや上着のボタンははずして、風を受けることにしている。
 冬にコートの襟元を固く閉じ、ボタンをとめてうつむいて歩くのはもったいない。胸をはってコートの中に風を入れながら冬の風と同化するのは悪くない。
 銀杏の黄葉と黄落も目を楽しませてくれる。落葉を全身で受けて、目を閉じると銀杏と一体化したような気分になり、街路や公園に居ることを忘れてしまう。まぶたを閉じていても黄色の影が見えるようだ。
 
 
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本日の俳句(101122)

2010年11月22日 21時16分10秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句
★枯れ葦の太き直立山近し
★暖かき雪を欲るごと友を欲る
★家居する小庭を時雨かけゆけり
★湯豆腐の湯が煮え顔の近き夜
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読書覚書(101120)

2010年11月21日 20時49分31秒 | 読書
読書覚書(101121)
2010.11.21

「桂東雑記 拾遺」(白川静、平凡社)

・「孟子は、「春秋に義戦無し」といい、すべての戦争の正当性を否定した。言い訳を加えるような戦争に、本当の正当性があるはずはない。それは、現代の戦争においても同様である。」

・「運動は無限への意志である。到達のない連続性である。それが歴史的生命の世界の実相といえよう。人はみずからの運動によってそれに参加する。出発はそれへの参加である。そして到達は、おそらく永遠のかなたにあるであろう。‥世界は、われわれの知る空間よりも遥かに広い。そしてまた、われわれの知る時間より遥かに長い。空間と時間は交錯し、重畳し、無限に変化し、極微と極大を極め、かつ美しい。歴史的な生命体としての、生きるものの美に満ちている。」

・「漢籍がいま何の存在理由を持たぬとするのは、それを受容する時代精神が貧しいからであり、そのような政策をとるものの、文化への意志が失われているからであろう。現在におけるすべての退廃は、そのような文化的意志の欠如に由来しているものと、私は思う。」

・「歴史よりもはるか以前の時代に神話があったという考え方は、必ずしも正確ではない。むしろ歴史が自覚されたとき、そのような歴史の根拠として、従来断片的な説話として語られていたいろいろな神話的思考が、王朝の神話として組織され、体系づけられていったとみるべきであろう。歴史は、神聖王朝の実現によって、はじめて自己認識の場として自覚的なものとなる。王権の神聖化とその持続への欲求が、歴史的な課題として自己認識をうながすからである。」

・「わが国も早く漢字を用い、その音と訓とを併用する独自の使いかたによって、国語を表記するだけでなく、中国の文献をもすべてよみこなし、国語化することができた。そこにはほとんど血縁のような親縁の関係がある。文字文化を通して、この文字文化圏の親縁を回復したいということが、久しい間の私の願いである。」

・「文字は、名詞や動詞のように具体的に形象化しうるものだけでなく、代名詞や否定詞のように実体のない、観念的な語を表記する方法をも、用意する必要がある。文字として機能するには、その表記の方法の集積かなるのではなく、それ自身の体系によって成立する。それでひとたびその体系化の原理が発見されると、それによってすべての語を同時的に文字化することができる。文字は少なくとも基本的な語彙が同時的に文字化されるのではなくては、文字として機能することができないものである。」
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本日の俳句(101117)

2010年11月17日 21時31分35秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句
★骨きしみ硬き枯れ木の踏まれゆく
★鵙鳴いて枯れ枝強く折れ曲がる

 道端の枯れ枝をふと踏んでしまった。足裏が踏みつけるにしたがって3つか4つに折れた。自分の骨を折られているような感覚になった。
 鵙の鳴き声と思われる方向に、桜の木の枝が極端にくねっているものが目に付いた。葉が紅と黄に変わり半分以上落ちていた。桜紅葉が美しい時節だ。

好きな句
☆省くもの影さへ省き枯木立つ(福永耕二)
 これはもっと冬の季節が進んだ時の情景であろう。葉をすっかり落とし、痩せ細った樹形は美しい。「影さへ省き」の思い切った語調がいい。は・か・さ・は・か・た、のア行の音が冬の凛とした大気に心地よく響くようだ。
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本日の俳句(101114)

2010年11月14日 17時58分07秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句

★朝日射す菊の一群我に向く
★こぼれくる桜紅葉を我が胸に

 通勤の途中に見事な菊を育てる家がある。特に黄菊の色が鮮やかである。わざわざ自分の方を向いて咲いていると錯覚する。
 桜や欅など色とりどりの葉が落ちてくる季節となった。身に降りかかるものもある。すでに散り敷かれたそれらの葉を踏みしめながら、春の桜の季節と同じ道をゆっくりと歩いた。
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最近の読了

2010年11月13日 18時40分00秒 | 読書
1.「みすず11月号」(みすず書房)
2.「図書11月号」(岩波書店)
3.「太陽系大紀行」(野本陽代、岩波新書)
4.俳句誌「饗焔11月号」(饗焔俳句会)

1では「小林多喜二と文学-格差社会とリベラルアーツを考えるために」(ノーマン・フィールド)
2では「吉原の太鼓聞こえて更まる夜に」(復本一郎) 、「欠伸する虚子」(丸谷才一)、「敏なるかな、水先案内者」(高橋睦郎)
が記憶に残る。
3、著者を見てこの程度の本と思って読めばちょっとした頭の転換にはなるが、しかし、NASAや人工衛星の打ち上げ主体の発表そのままをそのまま羅列して「著作」になるなら楽なもの。「文部科学省宇宙開発委員会委員」とは何とも悲しい。
4.私の俳句に近いかもしれない。

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本日の俳句(101110)

2010年11月10日 20時03分26秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句
★葱抜いて富士きっかりと地より立つ
★石蕗咲けるその高さには富士そびえ
★初雪の富士めざしゆく細き月

 葱畠越しに富士が見える。一週間ほど前から頂に雪を被っている。頂に雪があることによって、すそ野までこちら側に近づいて来るように迫って見える。石蕗の花も盛りとなり、ようやく冬の雰囲気となってきた。夕刻には三日の月がその初雪を被った富士をめざして傾いていく。


好きな句
☆石蕗咲いていよいよ海の紺たしか(鈴木真砂女)
 石蕗の花は最近まで特に意識してみることもなかった。気に留めるようになると妙に気になり、目に付く。葉の照りとよく合う黄色である。そしてたしかに海の紺に似合う色だ。海辺に咲く花と言われるが、住宅地でも随分と目に付く。
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本日の俳句(101109)

2010年11月09日 21時33分17秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句
★菊咲いてそこだけ闇のとどかざり
★今日の風読みつつしかと枯れ葉落つ
★瓢箪や影の長さにくびれ持ち

 菊の咲く季節は、帰宅するともうすっかり暗くなっている。夕食後ベランダに咲いた菊はほのかにそこだけ光が集まっているように感じた。
 今朝、出勤途中に街路樹の傍を通ると葉柄を軸に回転しながら一枚の枯れ葉が目の前に落ちてきた。暖かい陽射しを受けて、今日の日を選んで落ちてきたように錯覚した。枯葉も時期を自分で選ぶのかと。
 昨日散歩の途中、川沿いの道路際に瓢箪がなっていた。手の大きさのものをもいで持ち帰った。テーブルの上において影と本体をつくづくと眺めていた。

好きな句
☆音たてて立冬の道掃かれけり(岸田稚魚)
 竹箒の擦れる音、枯れ葉のたてる音だけでなく、道行く人の足音、人の声まで聞こえてきそうな句と感じる。秋から冬への透明な空気、乾いた空気のもとで、ささやかな音がきびきびと響いていくようなすがすがしさを感じる。
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読書覚書(101108)

2010年11月08日 11時01分17秒 | 俳句・短歌・詩等関連
「俳句のユーモア」(坪内稔典、岩波現代文庫)

・「写生は俳句形式に合わない。そのために、‥どうしても無理が生じる。その無理がたとえばクローズ・アップになり、デフォルメになり、また意外な擬人化や極度の省略になったりする。写生はいわばあえて無理や普茶を引き起こし、写生という態度のまじめさをほぐしてしまう方法なのだ。」

・「この恣意性は、俳句が誰にでもたやすく作れるという手軽さの要因である。俳句の大衆性とか第二芸術的な要素だといってもよい。だが、大衆性や第二芸術的要素であるこの恣意性は、俳句という表現のなによりもの特色である。他の形式(短歌や自由詩など)にはこれほどの恣意性はない。」

 前段は肯定するのだが、後段部分、あまりの恣意性は独りよがりへの道だ。「自己を開く場」としての句会を評価する云いとズレが生ずるような気もする。
 森川許六が芭蕉の言葉とする「師の云、発句はとり合わせものなり、二つとり合わせて、よくとりあはすを上手と云ふなり、といへり。」が引かれているが、この後段部分「よくとりあはす」を私はよくかみしめたい。
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本日の俳句(101107)

2010年11月07日 15時56分45秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句
★飯粒をねらう雀や園は秋
★茶を飲めば部屋に降りくる秋の暮れ
★茶を啜る夜の静けさ秋深し

 私はよく職場の傍の公園のベンチで昼休みを過ごすが、そのベンチで食事を取る人もやってくる。鳩や雀がそのおこぼれをねらってくる。鳩は妙になれなれしく人の顔色を窺うように寄ってくるが、雀はそんないやらしい芸当はしない。
 人に媚びることはせず、ひたすら目に飛び込んだ餌をついばむ。そんな姿は見ていて飽きない。

 猛暑が9月いっぱいつづいた今年、ようやく秋になったと思ったら、早やくも立冬。自分の中ではようやく秋深まった気分である。


好きな句
 高野山
☆霧よ包め包めひとりは淋しきぞ(臼田亜浪)

 この句、淋しいから霧が自分も景色も早く包み込んでしまってほしい、と解釈するとつまらないような気がした。山で霧が押し寄せてくると、淋しさというか心細さが募る。高野山という題辞がある以上、山での雰囲気、霧により募る寒さも含めてその淋しさ、心細さをどうせなら一層募らせてしまいたい、という気分ではないだろうかと思った。
 ひとり高野山を歩いて淋しさが募っているところへ霧が出て、一層の寂しさに自分をおいてみたい、そうしないではいられないほど気分が下降していく状態を詠んだのではないだろうか。私の勝手な深読みだろうか。
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俳句誌11月号掲載句

2010年11月05日 22時19分27秒 | 俳句・短歌・詩等関連
俳句誌「軸」11月号掲載句

★赤き日に小さな撹乱秋あかね
★赤錆の夏の累積いくさ跡
★片腕に残暑むんずと仁王像
★秋冷に岩稜角(かど)をととのえる
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本日の俳句(101104)

2010年11月04日 07時24分17秒 | 俳句・短歌・詩等関連
本日の俳句

★暮れ残る日を一身に木守柿
★鐘の音に谷見下ろせば木守柿

 我が家の傍に公設の大きな墓地がある。小尾根の頂上から谷の底に、高層ビルの立ち並ぶ東側の港の方向に広がるように、両斜面を利用して小さな区画の墓地が並んでいる。 
墓地の下の外周道路に石屋があり、その庭に柿の木がある。晩秋の夕刻の西日が柿の木の天辺に当たっていて、柿の実が輝いている。この季節、この墓地を見下ろす位置が私のお気に入りの場所のひとつだ。
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