だからちがうんだってば.

ブログ人から引っ越しました

アンナ・カレーニナ

2007-07-28 17:53:00 | 生活

「幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしているものだ。」

という書き出しが有名なトルストイの名作「アンナ・カレーニナ」ですが,大作家がこぞって激賞しているというわりに読んだことがなかったので,ちまちまと読んでいたところ,ようよう読み終わりました.いや長い.これで読書感想文書けとか言われたらほんとに困っちゃうなあと思います.そもそも読書感想文というのはなんのためのものなのか,というのがよく分かってないというのはあるんですが.それはともかく,「アンナ・カレーニナ」ですけど,この「アンナ・カレーニナ」というのは女性の名前なんですが読み始めるとしばらくのあいだはこの主人公が出てこないという,初手から長期戦を覚悟させる構造になっております.きわめておおざっぱに言うと,類稀なる美貌の持ち主である主人公の(?)人妻アンナは青年将校ヴロンスキーと道ならぬ恋に落ちるのですが,物語そのものはこのアンナとヴロンスキーの話だけで展開するのではありません.リョービンという田舎の地主(?)とその新妻キチイを中心とする物語がずっと平行して進んでいて,単線的な(?)物語に慣れている当方が,この2組の話がどう関係して終わるのであろうか,と思って読んでいると,この2組を中心として大盛り上がりで終わってしまってびっくり,という話.この2組が無関係なわけではなくて,話がロシアの社交界という狭い世界を中心として回っていることもあって血縁を通じてもつながっているのですが,そうはいってもそんなに関係しません.となると,「アンナ・カレーニナ」というタイトルはいったいなんじゃらほい,てなものです.まあいいんですが.

読み終わってふと視線を斜め45度に上げてつらつら考えると,アンナという美貌の人妻はなんだか思い込みの激しい困ったちゃんのような気がするのですがどうなんでしょか.……と言ってしまうと名作に対する冒涜なのかもしれないですが,ええとそうするとなんでこれがそんなに名作なのか,とまた沈思黙考30秒ほどしてみると,おそらく,ストーリーそのものよりも,その合間合間で展開される当時のロシア社会あるいは宗教に対する見解なのであるかもなあと思います.ええとまあそういうことで,普段からあんまりものを考えないで生活している人間が読んでもよく分からない作品なのであるかもしれないなあ,とそういう話.そういう話なの?

アンナ・カレーニナ (上巻) アンナ・カレーニナ (上巻)
価格:¥ 660(税込)
発売日:1972-02

最新の画像もっと見る

コメントを投稿