私淑する先輩のお勧めもあって,仙台に行くこともあって,山本周五郎「樅ノ木は残った」を読みました.信じるところに従い,世に悪臣逆臣の謗りを受け,旧友同僚を謀ってでも生きて働き,最期には志半ばに斃れる忠臣として,伊達騒動のなかでの原田宗輔を描いた小説です.ハードボイルドな感じの文体と,原田甲斐本人,その家臣の男前な描かれ方が調和し,印象を強めているようです.日経新聞の連載だったそうで,いまの日経の雰囲気に(ここのところ触れてもいませんが)比すと,いかにも勤め人が好きそうな感じですよね,と斜に構えたくなるところもありますが,安易に功名を求めない選択を続けるというのは,それはそれでひとつの美学見識であるのだ,との感を持ちます.
いい小説を読むことは喜びであるなあ,ということで,次は藤沢周平『漆の実のみのる国』にしてみたのですが,こちらは米沢15万石上杉家のはなしでやっぱり江戸期だったり.あら.
いつの世でも,しんじつ国家を支え護立てているのは,こういう堪忍や辛抱,--人の眼にもつかず名もあらわれないところに働いている力なのだ
いい小説を読むことは喜びであるなあ,ということで,次は藤沢周平『漆の実のみのる国』にしてみたのですが,こちらは米沢15万石上杉家のはなしでやっぱり江戸期だったり.あら.
山本周五郎.樅ノ木は残った (上) (新潮文庫) 価格:¥ 660(税込) 発売日:2003-02 |
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