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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『詩集未収録詩篇』を読む(77)

2020-07-13 08:59:41 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
* (その人はどこへゆく)

冬の日が野をあまねく照らしているところを
その人の影が動き
ぼくの心のなかを水のように去つていく

 「その人」が繰り返され、「その人」を受け継いで「冬の野」が「ぼくの心」と言い直される。「現実」が「心象」になり、そのなかで「その人」が「水」という比喩になる。
 この「比喩」よりも、現実と心象、現実と比喩が交錯するということが、詩を成立させている。交錯をとおして、比喩は事実になる。




*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)


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