川口晴美+渡邉十絲子『ことばを深呼吸』(東京書籍、2009年05月20日発行)
詩をどうやってつくるか--その実践テキスト。実際のワークショップ(授業)を踏まえているので、とてもわかりやすい。ふたりがこのテキストで強調していることは2点ある。「はじめに」という文に端的に書かれている。
この2点を、少しずつバリエーションをかえながら二人は実践していく。特に大切にしているのが、ことばの自由な動きである。
と書かれている部分である。
これは、自由に動かせるようになれば、どんなことだって表現でき、楽しいという意味ではない。
ことばは、あるとき、発言者の「思い」とは無関係に自由に動いていくときがある。そして、発言者が何かを「発見」するのではなく、ことばがことば自身で何かを発見するのときがある。
ことば自身が何かを発見する。けれど、それは、ほんとうは「あなた」(じぶん、書き手、発言者)のうちに潜んでいたもの。それは、言い換えると、何かを発見するというより、自分の可能性を発見することでもある。
この「可能性」を詩人になれる可能性と、二人は「ひそかに」主張している。
とてもわかりやすく、とても楽しい一冊である。タイトルの『ことばを深呼吸』の「深呼吸」もいい。胸に深く吸い込んで、体のすみずみに行き渡らせる。体のどこかが新鮮になる。そして、そのよろこびのまま、ことばをもう一度吐き出す。そのとき、ことばは「あなた」の肉体の何かを持って、外に出てくる。
詩をどうやってつくるか--その実践テキスト。実際のワークショップ(授業)を踏まえているので、とてもわかりやすい。ふたりがこのテキストで強調していることは2点ある。「はじめに」という文に端的に書かれている。
(1)言葉をつかうということは、本当はとても楽しく、このうえなくおもしろい経験です。
(2)言葉は、自分の思っていることや考えていることを表現するための道具であり、他人とコミュニケーションをはかるためツールですが、そのようにつかうためには、まず自分のなかから豊かに言葉が湧き出て、言葉が自由に動く、そういう心の筋肉のようなものが、ちゃんと鍛えられていることが大切。
この2点を、少しずつバリエーションをかえながら二人は実践していく。特に大切にしているのが、ことばの自由な動きである。
言葉が自由に動く。
と書かれている部分である。
これは、自由に動かせるようになれば、どんなことだって表現でき、楽しいという意味ではない。
ことばは、あるとき、発言者の「思い」とは無関係に自由に動いていくときがある。そして、発言者が何かを「発見」するのではなく、ことばがことば自身で何かを発見するのときがある。
あらかじめ書こうとするテーマやメッセージなどなくても、知っている言葉や目についた言葉を並べて、あなたらしく組み合わせているうちに、自分のうちに潜んでいるものが見えてくることがあるのです。
ことば自身が何かを発見する。けれど、それは、ほんとうは「あなた」(じぶん、書き手、発言者)のうちに潜んでいたもの。それは、言い換えると、何かを発見するというより、自分の可能性を発見することでもある。
この「可能性」を詩人になれる可能性と、二人は「ひそかに」主張している。
とてもわかりやすく、とても楽しい一冊である。タイトルの『ことばを深呼吸』の「深呼吸」もいい。胸に深く吸い込んで、体のすみずみに行き渡らせる。体のどこかが新鮮になる。そして、そのよろこびのまま、ことばをもう一度吐き出す。そのとき、ことばは「あなた」の肉体の何かを持って、外に出てくる。
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