監督 ジャック・ヘイリー・ジュニア 出演 フレッド・アステア、ジーン・ケリー、フランク・シナトラ
MGMの50周年記念に1974年に製作されたこの作品、私はリアルタイムで見ているけれど、そこに集められている作品はリアルタイムで見たことがない。で、つくづく思うのは、こうした作品群をリアルタイムで見ることができた人は幸せだなあ、ということ。
いつ見ても(というのは変か)、フレッド・アステアのダンスの優雅さに感心する。体の線がとても美しい。苦労して踊っているように見えない。歌舞伎役者の話で「役者が一番美しく見えるのは無理な姿勢をしているとき」というのがあるけれど、フレッド・アステアも無理していたのかなあ。
帽子かけを相手にダンスするシーンなど、まるで人間を相手に踊っているとしか見えない。――というより、帽子かけを人間にしてしまうのがフレッド・アステアのダンスなのだ。そしてそれは、共演者を名ダンサーにしてしまうということでもある。フレッド・アステアひとりが優雅なのではなく、踊る人をすべて優雅にしてしまう。それは、実は見る人をも優雅にするということなのかもしれない。
見終わった後、あ、こんな風にダンスをしてみたい、とダンスの経験のない私でさえ思ってしまうのだから、私も優雅に「なった」ということだろう。
ジーン・ケリーはちょっと違う。ダンスはダンスなのだろうけれど、なんといえばいいのか、こんな風に体で遊んでみたいとい感じ。「雨に唄えば」のバシャバシャが象徴的だけれど、ダンスじゃなくていいから、雨の中でバシャバシャやってみたい――そう思ってしまう。ジーン・ケリーは相手と踊るよりも、「空気」あるいは「状況」とダンスをする。「舞台」が踊るといえばいいのだろうか。
何度か紹介されるスタントなしの危ない場所でのダンスは、ジーン・ケリーが「舞台」(状況)そのものと踊っていることを証明している。ジーン・ケリーがひとりで踊っているのではなく、「舞台」もジーン・ケリーにあわせて踊るから危険はないのだ。
74年か75年に見た時はぼんやり見ていたがクラーク・ゲーブルまでミュージカルに出ている。歌っていたのか。印象的なのは、まあ、しかし、クラーク・ゲーブルはやっぱり「ウインク」だね。色っぽい。真似したいねえ、あのウインク。
大好きなシナトラの歌も聞けるし、もう1回見てもいいかなあ、いやもう2回、3回・・・。
*
苦情をひとつ。天神東宝4(福岡市)で見たのだが、本篇が始まってから、後のドアが細く開いていた。いつまでたっても閉まらないので、席を立って閉めに行ったら、なんと眼鏡をかけた係員(だと思う、青い制服が見えたから)が、スクリーンを除いている。そのためロビーの光が入ってくるのだ。
「光が入るから閉めてください」と内側からドアを引いて閉めた。
映画が終了後、ロビーにいた係員に苦情を言ったら「本篇がほんとうに始まったかどうか確認している」という。そんなばかな。今までも何度も天神東宝で映画を見ているが、上映開始後に係員がドアを開けて上映を確認しているために、光が入ってきて困ったという記憶はない。確認するにしても、きちんと劇場内に入り、ドアをしめて確認すべきだろう。いつまでもドアを開けている必要はない。
とても不愉快だった。
MGMの50周年記念に1974年に製作されたこの作品、私はリアルタイムで見ているけれど、そこに集められている作品はリアルタイムで見たことがない。で、つくづく思うのは、こうした作品群をリアルタイムで見ることができた人は幸せだなあ、ということ。
いつ見ても(というのは変か)、フレッド・アステアのダンスの優雅さに感心する。体の線がとても美しい。苦労して踊っているように見えない。歌舞伎役者の話で「役者が一番美しく見えるのは無理な姿勢をしているとき」というのがあるけれど、フレッド・アステアも無理していたのかなあ。
帽子かけを相手にダンスするシーンなど、まるで人間を相手に踊っているとしか見えない。――というより、帽子かけを人間にしてしまうのがフレッド・アステアのダンスなのだ。そしてそれは、共演者を名ダンサーにしてしまうということでもある。フレッド・アステアひとりが優雅なのではなく、踊る人をすべて優雅にしてしまう。それは、実は見る人をも優雅にするということなのかもしれない。
見終わった後、あ、こんな風にダンスをしてみたい、とダンスの経験のない私でさえ思ってしまうのだから、私も優雅に「なった」ということだろう。
ジーン・ケリーはちょっと違う。ダンスはダンスなのだろうけれど、なんといえばいいのか、こんな風に体で遊んでみたいとい感じ。「雨に唄えば」のバシャバシャが象徴的だけれど、ダンスじゃなくていいから、雨の中でバシャバシャやってみたい――そう思ってしまう。ジーン・ケリーは相手と踊るよりも、「空気」あるいは「状況」とダンスをする。「舞台」が踊るといえばいいのだろうか。
何度か紹介されるスタントなしの危ない場所でのダンスは、ジーン・ケリーが「舞台」(状況)そのものと踊っていることを証明している。ジーン・ケリーがひとりで踊っているのではなく、「舞台」もジーン・ケリーにあわせて踊るから危険はないのだ。
74年か75年に見た時はぼんやり見ていたがクラーク・ゲーブルまでミュージカルに出ている。歌っていたのか。印象的なのは、まあ、しかし、クラーク・ゲーブルはやっぱり「ウインク」だね。色っぽい。真似したいねえ、あのウインク。
大好きなシナトラの歌も聞けるし、もう1回見てもいいかなあ、いやもう2回、3回・・・。
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苦情をひとつ。天神東宝4(福岡市)で見たのだが、本篇が始まってから、後のドアが細く開いていた。いつまでたっても閉まらないので、席を立って閉めに行ったら、なんと眼鏡をかけた係員(だと思う、青い制服が見えたから)が、スクリーンを除いている。そのためロビーの光が入ってくるのだ。
「光が入るから閉めてください」と内側からドアを引いて閉めた。
映画が終了後、ロビーにいた係員に苦情を言ったら「本篇がほんとうに始まったかどうか確認している」という。そんなばかな。今までも何度も天神東宝で映画を見ているが、上映開始後に係員がドアを開けて上映を確認しているために、光が入ってきて困ったという記憶はない。確認するにしても、きちんと劇場内に入り、ドアをしめて確認すべきだろう。いつまでもドアを開けている必要はない。
とても不愉快だった。
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