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詩はどこにあるか(谷内修三の読書日記)

日々、読んだ本の感想。ときには映画の感想も。

嵯峨信之『OB抒情歌』(1988)(32)

2019-11-30 08:42:46 | 『嵯峨信之全詩集』を読む
* (この砂漠は)

いつの日か通つたようにおもわれるが
いま哀しくもおもいだされない

 「おもう」が「おもいだされない」。「おもう」は気がする、ということだろうか。「おぼえている」のに「思い出せない」というのとは違う。「おぼえている」が「思い出せない」というのは「ことば」にならない、ということ。
 この詩では、「ことば」になっている。
 「哀しくも」というのが、その「ことば」だ。「おもいだせない」はずなのに「哀しくも」ということばが生まれてくる。こころが生まれてくる。「いま」となって。
 「いま」。
 このひとことも、切実だ。


*

詩集『誤読』は、嵯峨信之の詩集『時刻表』を批評するという形式で書いたものです。
オンデマンドで販売しています。100ページ。1500円(送料250円)
『誤読』販売のページ
定価の下の「注文して製本する」のボタンを押すと購入の手続きが始まります。
私あてにメール(yachisyuso@gmail.com)でも受け付けています。(その場合は多少時間がかかります)

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