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抗がん剤治療

2009年05月12日 | 親父
がんをやっつけたい親父は抗がん剤の治療に入ることを待っていました。

最初は腎臓の数値だとか、他との数値の関係、その後微熱が出たりで、
予定通りの日にちからのスタートは出来ず、様子を見てからの治療にな
りました。

抗がん剤というと、副作用で髪の毛が抜けるとかあるようですが、親父の
場合は髪の毛には大きな影響はありませんでした。

最初のうちは、しゃっくりが止まらなくてかなり往生してました。
そういうのも副作用であるらしく、とにかく止まらなくて参っていたのを覚え
ています。

抗がん剤投与にはクールがあって、1クール終えるとしばらく間をおかなけ
ればなりません。こういうことは知りませんでした。
やはり薬が強いせいかずっと投与を続けるということは体に良くないのでし
ょう。

1クール終わると、またいついつから抗がん剤に入るということをカレンダー
につけていきました。

抗がん剤をやっていない時は主に点滴での治療でした。

入院している時間を重ねれば重ねるほど、親父は病院食を嫌いになって、
ひと口かふた口食べて終わりという毎日でした。

「ちゃんと食べろ」と言っても聞く耳は持ちません。
親父も親父の母親(僕のおばぁちゃん)ががんだった時に、やっぱり食べろ
食べろと言ったそうですが、おばぁちゃんはなかなか食べることが出来なか
ったそうです。
「俺もおふくろにそう言ったけど、これはなった者にしか分からないんだよ」と
話していました。

そういうことを聞くと、こっちもついつい流されてしまって、親父が食べたいと
いうものを買ってきては食べさせてあげていました。
特に毎日のように喜んで食べていたのは病院の中のコンビニのあんまんと
肉まんでした。
それでも丸々1つを食べることは無かったです。

治療の無い土日は退屈にしていました。
かなりストレスも溜まって気分転換に外出許可をもらったりが多くなったのも
抗がん剤の治療を始めてからでした。

突然「今日外出許可もらったから」と言って電話してくるのです。
こっちは準備も何もしていないから大変で、それでも「早く迎えに来て」という
から行くしかありませんでした。

会社に連れて行き、みんなの顔を見てちょっとのんびりしたりしてました。
会社のみんなは突然の社長の来訪に喜んだりしてました。
「社長、頑張ってねー」
「うん、ありがとう、頑張るねー」
というやりとりをしていました。

親父が外出許可をもらう日は不思議と太陽が照りつけていたように思います。
もちろん雨じゃ外出できないのですが、僕の記憶の中では晴天の中を車椅子
で会社に来た日ばっかりだったと思います。

夜の7時頃には病院に帰るのですが、その前に病院の近くにある「肉の万世」
でハンバーグを食べるのを好んでいました。
もちろん全部は食べられないのですが、だんだん味覚が無くなっていっても、
ここに来て食べることが好きでした。