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曲解説リプライズ(ゴール)

■このアルバムでは、女性のでてくる歌が増えてますね。

それだけ、オレも円くなってなってきたってことよ(笑)。
大きな外殻が割れたので、

これからはもっと
思いがけないような歌がでてくるかもね。

その多様性を制御しないことがいいんじゃないかと
最近、思っててさ。

以前はあんまり自分らしくないものは
自己規制して発表しなかったんだけど。

そうしなくてもいいんじゃないか、
出てきたものは肯定していいんじゃないか、

自己規制して自分を狭めているんじゃないかって、
そんな気がしたんだね。

だから、もう今はでてくるものは
なーんでもウエルカムだよっ(笑)。

思いついたものは大事にして、
ゲストだと思って捨てないんだよね。

いつかどこかで使えるでしょ、
要は使い道なんだよな。

そういう、「もったいない」スピリットが息づいてるよ、
これ、エコじゃないか(笑)。

■「世界のはじっこ」ってどこですか。

にしおぎ、ね。
西荻窪。

西友から出て、線路に沿って、吉祥寺方面に
くだりはじめたあたり。

あそこがおれにとっての
世界のはじっこ。

甘くて、すっぱくて
かけがえのない場所。

■結婚についてどう思いますか。

結婚は愛のゆりかごでありエゴの墓場だね。
オレね、前作で「ソウルエンジン」っていう

夫婦道の歌を歌ったでしょ、
あのときにはまだ、ね、

夫婦に対する認識が浅かったね。
あのときにはまだ、

お互いに違う人間である二人が
ひとつ屋根の下に住むことの不幸を

乗り越え切れていなかったね、いま思えば。
結婚というのは、

育てていくものなんだよね、
植物みたいに。

あ、ごめん、
比喩で美しく語ってしまったが、

実はオレは
植物のことはあんまり知らん(笑)。

知らないけど、そういうものなんだよ。
育てるものなんだよ。

結婚したってことだけでは、
それはまだ種なんだよね。

それには、さ、
時間がかかるんだよ。

二人の関係をチューニングしなくちゃいけないからさ。
それには、

ただ譲り合うとか、どちらかが折れるとかっていう解決方法では
まだ足りない部分があるんだな。

その足りないものっていうのは、
理解なんだ。

相手を理解すること。
こうすれば、この人はこう考えてこういう気持ちになるだろうというのを

理解すること。
シミュレーションみたいだけどな(笑)。

そうすると、もう他人だっていう気がしなくなるよ。
自分の一部だよ。

だから、自分を好きであるということも
また大事なことだね、結婚では。

もう自分の一部だっていう気持ちになったなら、
それがたぶん結婚だ。

オレは、
15年から20年くらいかかってそうなったかな。

「ソウルエンジン」はまだ10年を過ぎたあたりだったからね。
こうみてくると、

年を経るというのも
まったく悪いことだけではないっていう気がしてくるね。

時間を肯定できるようになったことも、
おおきかったけどね。

ま、それは
またべつのときに話そう。

■ちょっと雰囲気がこれまでの曲と違いますね、

お、気付いた。
やるねえ(笑)。

これね、アレンジが、また別の方なんだよね。
といっても、サークルの先輩の某青山巨匠なんだけど。

と、思ったら間違っていて、
実は光畑師匠だったらしい。

ちょっと、
伊達男風の小粋な感じがするね。

アコギ弾く人が、
ソフト帽かぶって

イタリアの靴を履いている人が弾いてそうな気がするね。
むかしの小坂忠さんみたいな人。


■あなたにとって人生のゴールとは。

人生は長いね、こんなに長いとは思わなかった。
想定外だ(笑)。

こんなに長いのなら、最初から
ペースメーカーに一緒に走ってもらうんだった。

オレ、明らかにオーバーペースだったよ。
でもね、オーバーペースがマイペースさ、オレの場合。

くたくたに疲れて、もう走りたくねーよって思いながら
走っているうちに、だんだん分かってきた。

ミヤケン(宮沢賢治)は最初から、
燃え尽きて途中でやめようと思って、

自分のことを
デクノボーっていってるだろ。

オレは、ここまで長生きしたから
もう、ずうっっっっっと生きることにしたのね。

夭逝しないのなら、もうやるよ、オレは腰据えて。
で、目指すのは、賢者ね(爆)。

オレはもう、人生の難問を解ききるつもりだからね。
「死」を、

「死体はあるが、死はない。
しかして、オレにとっての死とは青空へ揮発すること」と解いたあたりから、

オレが目指しているものは賢者。
そしていまの課題は、

なんと、お金(大爆)。
これもまた大きな問いだった。

だが、それも解けつつある。
世界は無限に豊饒であるという確信だ。

そして人を救うのは議論ではなく行動だ。
貧乏な人には金、悲しい人には心だ。

それはどこにどれだけあるのかな。
もちろん、世界に無限に豊饒にあるのだ、と答えよう。

いまはまだ小さくても、
オレはそこへ向かう(凛々しいっ)。

■好きになるって、くっつけあうものなんですか(笑)。

うん。
ぺたん、ぺたんって、

くっつけあうんだよ、
観光地においてあるご当地ハンコみたいにさ。

■ついでに、夫婦道(めおとみち)の神髄は何ですか(笑)。

夫婦はお互いを理解して、
仲が良いことがその結果だが、

そのために大事なことは、相手を変えようとしないことだよ(爆)。

相手を変えようとするときには、
相手の欠点を見ているのね。

自分にも欠点がある人間が、
自分のことを棚にあげて

他人の欠点に言及しようとすると、
必ずそこにはヒビがはいるようになってんの。

そのヒビが、
せっかく二人が同じ場所に立っていることを、

離ればなれにしてしまうんだよぉ。
ああ、この人とは分かり合えないと思ったら、

もちろん、分かり合えない。
だが、結婚とは分かり合うためにしているんだよ(笑)。

相性がいいからしているのではなくて、ね。
それに、自分の想い通りになるからしているのでもないよ。

結婚とは
そういう効率を求めてするものじゃないから(笑)。

わざわざ自分に合わないものを
修行として呼び寄せる必要もないけどさ。

愛のあるところに理解を育てること、
それが結婚なのよ。

そのためには、
相手を変えようとしないことが大切なんだな。

変えなければならないのなら、
自分を変えるんだよ。

変わった自分に気付くほどの人を
自分は見つけて結婚しているのだという

そういう自信のもとにそれを行えば、
相手は結果として変わってくれるんだ。

ほんとだよ、
嘘いわないから(笑)。

議論をしても変わらない。
傷つけても変わらない。

じっくりとともに生きて変わるうちに、
変わっていって、そしてふっくらと仲のよい夫婦ができあがる。

なんか、
ごはんみたいだね(笑)。
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