江東区図書館生活

本棚の本をずいぶん少なくすることができました。

信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識 (講談社現代新書) 新書 – 2015/12/17 山崎 元 (著)

2018-09-08 06:02:47 | ★★★★★繰り返し手にしたい一冊
信じていいのか銀行員 マネー運用本当の常識 (講談社現代新書) 新書 – 2015/12/17
山崎 元 (著)



場所:江東区図書館

山崎本の中で現時点での最高峰ではなかろうか、この一冊にこれまで読んできた内容の全てが詰まっているように思う。
要するにこの一冊持ってれば他は手放してよし。
ブレがちなお金との向かい合い方を、この本をしばしば手にして見つめ直して修正したい。
てことで、この本は買って持っておきたいかも。

ちょっと意外で、でもなるほどと思ったのは、銀行普通預金は案外悪くない、ということ。
機会費用を考えれば、微々たる利回りを狙って10年もの個人向け国債ですら手を出さなくて良いという考え方。
ましてや社債なんかはもってのほか、定期預金も流動性を捨ててまで取るべき利率はない。
なるほど、納得。
ついつい普通預金の低利率に目がいって、リスク取って利回り増やそうとするけれども、すでに十分なリスクを取っているなら、流動性を確保しておくことは大きな意味がある。
これは改めて胸に刻もう。

キャピタルゲインとインカムゲインは合わせて考える、これはできてる。
でも、なんとなく人生の後半期はキャピタルゲインよりもインカムゲイン中心にと、そんな風に漠然と考えていた。
でも、これは間違い。
デリバティブを使えば、キャピタルゲインとインカムゲインはいくらでも入れ替えができる。
保守的な運用ではインカムゲインを中心には、デリバティブ以前の株と債権と預金ぐらいしかなかった時代の考え方。
キャピタルゲインとインカムゲインは改めて合わせて考える、いずれで稼いでも1円は1円、インカムゲインだからリスクが低いとは考えない。

投資家の側が理論的な知識を理解して自衛することが大事。
例えば行動ファイナンス。
売り手は認知のバイアスを利用した、買いたくなるような商品を作ってくる、例えばEB(他社株転換付き社債)、一見良さげ、でも取ってるリスクに見合わない手数料を支払わされてたりする。
気をつけよう。

これは以前に読んだ本にも書いていたが、低成長でも株式投資はハイリターンを生みうる。
低成長なら低成長なりに見合った株式の価格形成がされるはずだから。
逆に、低成長だから株式投資はだめと思っている人が多いなら、それが織り込まれて十分に安くなっている可能性があり、それが訂正される過程で設けの余地がある。
また、成長率予想の上方修正に反応して、株価は上がりうる。
これは改めて覚えておこう。

成功報酬型の投資は一見理屈に合うようだが、手数料が割に合わない。
成功報酬はオプションとして読み替え可能で、オプションならそのオプションに見合ったプレミアムの価格が計算できて、成功報酬型の投資はそうやって計算して出てきた適正なプレミアム価格を大きく上回るようなぼったくりの手数料を取っている。
更に、運用者側で先物を組み合わせるなどして大きなリスクを取ることが可能で、それによって実質の手数料をさらに顧客から巻き上げることが可能。
近寄らないことが正しい。


【著者】
山崎先生、将来、お金に困らない方法を教えてください! 単行本 – 2017/9/13
山崎 元 (著), 金子 マヲ (イラスト)
https://blog.goo.ne.jp/shinyability/e/ab35faa01154c446f34ca3f62b21f4bb