見える化-強い企業をつくる「見える」仕組み東洋経済新報社このアイテムの詳細を見る |
書名 :見える化~強い企業をつくる「見える」仕組み~
著者名 :遠藤功
出版社 :東洋経済新報社
刊行年 :2005/10/20
日付 :2006/01/10
定価 :1600円
入手法 :図書館
評価:◎
今月3冊目 今年3冊目
【書抜き】
*「見える」こと---それは企業活動の根源的な競争力であり、生命線なのである。
*見たくなくても目に飛び込んできてしまう。こうした環境を生み出すことが「見える化」の基本である。
*計画達成のPDCA+問題解決のPDCA=ダブルグループのPDCA
Problem-finding(問題を発見する)
Display(問題を「見える」ようにする)
Clear(問題を取り除く)
Acknouledge(問題解決を確認する)
*「見える化」を「経営思想」として位置づけ、粘り強く地道にその実践を続けていくこと、それが、透明性の高い企業風土をつくり上げていく唯一の道である。
*究極の「見える化」とは、実際に見えたものだけに頼るのではなく、「見えないものを見る」ことができる人、それを育てることである。
*計画全体を「見える」ようにする取り組みは数多く見られるが、より重要なのは「進捗」をトレースすることによって「遅れ」というギャップを露見させることである。
*効果を「記録」することはカイゼンの基本だ。カイゼンに取り組むと、知恵を出すことばかりに目が行き、どうしても記録がおろそかになってしまう。効果があってもなくても、記録を残すことが現場改善の基本中の基本である。
*企業活動とは、「問題との格闘」である。日々発生するさまざまな問題を「異常」「ギャップ」「シグナル」「真因」「効果」という五つの切り口で「見える」ようにすることこそが「見える化」の原点であることを忘れてはならない。
*「顧客の声」は、間違いなく経営にとっての最も重要な「資産」のひとつだ。現場に埋没しがちな「顧客の声」を「見える化」し、全社を上げてその声に耳を傾けること、それこそが顧客起点の経営の第一歩である。
*「見える」ことはあくまで「入り口」だ。それが人間に刺激を与えることで、意識が変わり、新たな行動を誘発する。たんに「見える」だけでなく、「見える」ことがきっかけになり、人間の心の中に何かを育み、それが「見える」前とは異なる思考や行動を生み出すのだ。
*「見える」ことは、「気づき→思考→対話→行動」という一連の「影響の連鎖」をもたらし、その結果として問題解決が促進される。
*「見える化」という「組織の透明性」は、失敗に対する寛容性からもらされる。そして、その根っこにあるのは、人に対する「信頼」である。人への「信頼」が根底にあるからこそ、「見える化」は成立することを忘れてはならない。
【コメント】
*早稲田大学教授、遠藤功氏の「現場力を鍛える」に次ぐ新刊。
*企業活動のさまざまなものを「見える」ようにする試み、それが「見える化」であり、現場力の中核コンセプトでもある。現場力を一段と強化するためのツールとして「見える化」を提案。
*「見える化」とは、たんに、グラフやチャートをつくって貼り付けるといった、単純なことではなくある種の「経営思想」まで高めることができるほど奥の深いコンセプトであることが良くわかった。
*自分の職場での「見える化」の可能性を見出せるようにしていきたいと思う。