ユーロな日々

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カマーチョの辞任から

2004年10月01日 | 欧州2010-2003
欧州04-05シリーズが開幕したばかりでの、今回のカマーチョとフェラーの辞任は衝撃的だったが、このほかにも主力選手や監督の移籍にまつわるドラマは枚挙に暇がない。各人のプライドや意地、打算などが渦巻く、非常に人間くさいドラマで、おもしろい。リーグの結果が、これらの人間ドラマと絡み合って、われわれの想像をかきたてて興奮させる。
カマーチョの辞任劇についていえば、私が感心したのはフィーゴだ。彼ははっきりと、カマーチョの態度を批判していた。「選手が20人くらいの選手がいたのに、カマーチョが辞任について話したのは、4、5人にだけだ。自分は何も聞いていないからわからない」「2連敗したからといって、自分は家には帰ったりしない。カマーチョは、自分たちをひどい状況に置き去りにした」「ファンはだまされている」云々。
ベッカムなどは、誰かに指示されたのだろうが、”カマーチョとはうまくいっていた”とか”彼はいい人だった”というようなコメントを発表したが、はからずも両者の見識の差が露呈した。ロベカルは、カマーチョの支持者からブーイングを浴びると口を閉ざしてしまい、ジダンはいつものように沈黙を守り通した。
フィーゴが、ロベカルがブーイングを浴びたことについて語った言葉も印象に残った。「選手はファンからブーイングを浴びてプレーはしたくない」「だから自分はバルセロナでプレーしたくなかった」云々。
非常に率直に心境を語っている。カマーチョが辞任したとき、監督として、人間として未熟だからだ、と書いたが、フィーゴのコメントを読んで、間違ってなかったと思った。
それからユーロ2004を思い出した。ポルトガルは準々決勝でイングランドでリードされた後半、フェリペはフィーゴを下げた。結局PK戦でポルトガルは勝利したのだが、フィーゴはロッカールームからでてこなかった。
しかしフェリペはこう語った。「自分とフィーゴは強い絆、友情に変化はない」「下げらたフィーゴの気持ちは理解できうる」「ロッカールームで勝利を祈っていた」云々。
懐の深い、配慮のにじんだ発言だ。
こういう人物を比べて、監督として、人間として、非常に未熟なことが明らかなのに、なぜカマーチョは同情を集めたのだろう。なぜ人々は、カマーチョを罵倒するのでなく、ロバカルにブーイングを浴びせたのだろう。その辺りが、よくわからない。