ユーロな日々

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悲しい最終章 [イタリア-フランス 1-1 PK5-3 決勝] 

2006年07月10日 | Germany 2006

素晴らしい決勝戦、とは言いがたかった。
あっというまにPKで失点したイタリアは果敢に反撃し、すぐさま追いついた。
これは激しい攻防になるかなと思いきや、やはりそうはならなかった。
同点になると、両チームとも本来の守備的なサッカーに戻ったからだ。
結局その後100分以上、得点場面がなかったのは残念だ。

どちらが勝者にふさわしかったか、といえば、わからない。
だ が、どちらが勝者にふさわしくなかったか、といえば、フランスだろう。

やはりアンリは何もせず、準決勝と同じようにPKでの1点しかとれなかった。
ジダンを経由しすぎるサッカーはクリエイティブとはいえない。
もっと言えば、時代遅れの代物だ。
こんなサッカーがワールドカップを制していいはずがない。
ベテランぞろいで平均30歳とは、改めて驚く。
そのためだろう、 延長戦になると、ゴール前までいくのはリベリーだけで、みんな走らなくなった。
なかなかカードを切らなかったドメニクの消極的な采配も、褒められたものではない。
こうなるのは、ベテランにたよってきたからに違いない。
もっと早く、トレセゲやビルトールをいれるべきだったのではないか。
ジダンを下げていれば、悲劇も起こらなかった。

フランスが10人になったのに、イタリアはいい攻撃をしなかった。
勝者にふさわしいと、素直に思えないのはこのためだ。
PK戦になってしまえば、一人多いアドバンテージはなくなってしまう。
あそこはもっとリスクを恐れずに攻めるべきだったのではないか。
だが、しかし、強い気持ちを最後まで失わなかったのは、やはりイタリアのほうだろう。

PK戦になってほしくなかった。
だが、なってしまった。
そしてそのPK戦も、ブッホン、バルデスとも、1人も止めなかった。
ただトレセゲだけが悪者になる、という結末はむなしい。
そして、あのようなジダンの悲劇は、もっとも見たくなかったものだ。
記憶には残るだろう。
だが、大きな感動のない、どこか物悲しい最終章だった。

[イタリア-フランス 1-1 PK5-3 決勝]