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良子は箱からスミレのグラスを取り出し、見つめた。
「このスミレのデザインのところにメルロのデザインですよね?」
「そうです。」
良子はワイングラスを逆さまにしたり、横にしたりして見た。
「素敵なグラスというだけだわ!
どうしてそれがワイングラスとの対決になるの?」
「そのメルロはシャトー・ペトリュスのブドウを取り寄せ、それを
モデルとして描いたそうだ。その作者はブドウの粒を口に含みながら又実際に
シャトー・ペトリュスを飲みながらブドウのデザインに没頭し、ペトリュスの気を
吹き込んだのです。」
和音は、手の平のあざを良子に見せながら、話を続けた。
「テイスティング対決のワインは、メルロのグラスに注がれるとペトリュスのように
感じてしまったのです。 ペトリュスの発する気を防ぐため・・・・・・」
「手の平で?」
「そう、手の平でワイングラスを覆って気を封じ込めたというか・・・・」
和音は、手の平のブドウを見つめた。
「手の平にブドウの気を吸い取ってしまった!」
良子は、驚いた表情を見せながら言った。
「それ以来、このペトリュスのブドウに悩まされている。
ボルドーのワインを飲むと、すべてペトリュスに感じてしまうのです。」
良子は箱からスミレのグラスを取り出し、見つめた。
「このスミレのデザインのところにメルロのデザインですよね?」
「そうです。」
良子はワイングラスを逆さまにしたり、横にしたりして見た。
「素敵なグラスというだけだわ!
どうしてそれがワイングラスとの対決になるの?」
「そのメルロはシャトー・ペトリュスのブドウを取り寄せ、それを
モデルとして描いたそうだ。その作者はブドウの粒を口に含みながら又実際に
シャトー・ペトリュスを飲みながらブドウのデザインに没頭し、ペトリュスの気を
吹き込んだのです。」
和音は、手の平のあざを良子に見せながら、話を続けた。
「テイスティング対決のワインは、メルロのグラスに注がれるとペトリュスのように
感じてしまったのです。 ペトリュスの発する気を防ぐため・・・・・・」
「手の平で?」
「そう、手の平でワイングラスを覆って気を封じ込めたというか・・・・」
和音は、手の平のブドウを見つめた。
「手の平にブドウの気を吸い取ってしまった!」
良子は、驚いた表情を見せながら言った。
「それ以来、このペトリュスのブドウに悩まされている。
ボルドーのワインを飲むと、すべてペトリュスに感じてしまうのです。」