ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 42ページ目 手の平のブドウのあざ   

2013-02-15 23:10:36 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【42ページ】


 暫くして、マスターは地下のワインセラーから箱に入れたワイン10本を持って、

戻ってきた。


「和さん、田辺さん、ポムロールの小さな畑のワインを選んで来ましたよ!

値段はすべて1万円以下のものですが、生産量が少ないので入手が困難なワインです。」


 マスターは箱からワインを取り出しながら、ワインを説明した。


「これはシャトー・ポモーです。4ha足らずの小さな畑で00年より再生したワインです。」 


 2本目を取り出し、


「これはシャトー・ラフルール・ガザンです。 サン・テミリオン境界近くにある7.8haのワインです。」 


 3本目を取り出し、


「このワインはシャトー・ラ・カバンヌで、ポムロール中央に10haの畑を所有しています。」


 4本目を取り出し、


「これはクロ・デュ・クロシェでポムロール南部に6haを所有。」


 マスターはその後10本目まで二人にワインを見せた。


「これらを持ち帰ります。

マスター、タクシーを呼んでもらえませんか。」


と和音が言った。


「ええ、手配させて頂きます。」


マスターはタクシーを手配すると、シャトー・ラトゥールを取り出し、

ワイングラスに注いだ。


「田辺さん、タクシーが来るまでにこのワインをもう一杯飲んでください。」