ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき セカンド(改訂) 48ページ目 3本のコルトン・シャルルマーニュのトリック   

2013-02-21 22:12:19 | ワインバーでのひととき2改訂三話まで完
【48ページ】


 白庭園芸の社員達は、白庭社長の言っていることを理解できず、首を傾げるのみであった。


「昨夜、夢枕に私の先祖らしき人物が立った。

そして私に『白庭の名前の由来を知っているか?』と問う。

私は雪が積もった庭からではと夢の中で答えた。」


 おしゃれな表現をするとホワイトガーデンかしらと女性社員の一人が考えていた。


「私の先祖は、首を振った。

『白庭とは白い雪の庭ではなく、白い花の庭のことである』と話し、

私の先祖の家の庭先では、白いゆりが群生していて、白いゆりの咲く庭

すなわち白庭と名乗るようになった。』と告げる。」


 白庭社長は、社員達の顔を見渡しながら、さらに話を続けた。


「白庭の名前の由来を告げた後、先祖は急に悲しい表情を見せたのです。

『お前は、世間の庭に赤等の色鮮やかな花を広めようとしている。

お前の使命は白庭を広めることである!』と命じられた。




さて、私がシャルルマーニュ皇帝になると宣言したところに戻りますが、

先ほどは、首を傾げていた皆さんですが、私の意図を察することをできたでしょうか?」 


 ワイン好きで、ワインの知識もある女性社員が手をあげた。

「はい、どうぞ!」

「シャルルマーニュ皇帝が赤ワインを飲んでいると、ひげが赤く染まってしまった。

それを見た人々ははやしたてたため、皇帝は怒って、『私のブドウ畑からは、

今後、赤ワインを造ることを一切許さない、すべて白ワインにする』と怒鳴った。」