ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 119ページ目 ロワール川巡り①  

2012-05-30 23:18:53 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【119ページ】


「お疲れさん!」


和音はうなずきながら言った。


「今夜はワインを楽しみたい日かな?」

「ええ、そして聞いてもらいたい話もあるの」

「それでは、ポムロール地区のワインで何かマスター薦めのワインをいただこう」


和音は、マスターにアイコンタクトしながら言った。


「マスター、ポムロールのお薦めを良子さんにグラスで!」

「今日は、お手頃な値段で、とてもおいしいポムロールのワインを入手したところです。」


ポムロール地区は、ボルドーの中でもっとも小さな地区である。

土壌は、肥沃でメルロ種の栽培に適している。

ポムロール地区には、公式な格付けはなく、ペトリュスだけが別格扱いになっている。


「どうぞ!」


マスターが、ワインの入ったグラスを良子の前に置いた。


「和さんは飲まないの?」

「先に飲んだから」

「それじゃ、いただきます。うむ・・・・・・」


良子は、ワインを楽しむつもりだったので、気軽に口に含んだのだが・・・・。


「このワインは何?」

「良子さんの口に合わなかった?」


和音は、笑いながら訊いた。