ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 101ページ目 ペトリュスのなぞ?   

2012-05-01 20:59:40 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【101ページ】


「少し話が長くなりますが、よろしいでしょうか?」

「ええ、どうぞ」

「今、世界中で原発推進か脱原発かで議論が盛んになっています。そのような状況の中で

自然エネルギーへの関心が高まっています。」

「長尾さんの会社の太陽電池の需要も高まっているでしょう?」

「はい」


長尾は、太陽電池の需要の高まりを肯定したが、なぜか浮かない表情であった。


「ところが、太陽電池のメーカーは大変な状況になっているのです。」

「日本ではメガソーラーの建設予定があちこちで計画され、景気がいいと思っていました。」

「各メーカーは、設備投資をして、増産体制をとったのですが、それが値崩れを起こす要因

となり、一年前の半値になってしまったのです。」

「そんなにひどいのですか?」


和音は、ソファの横に置かれている大型テレビに目をやった。


「テレビの値崩れて、大赤字の決算発表をしている電機メーカーと同じ状況になってきたわけ

ですね? しかし太陽電池は、変換効率が悪いと聞いているので、改善の余地があるので?」


「そこです!」


長尾は、和音の変換効率の発言に、すぐさま反応した。


「専門用語になりますが、太陽電池には、単結晶シリコン系と多結晶シリコン系の2種類

が主流になっています。前者の変換効率は20%、後者の変換効率は15%です。」

「どちらも変換効率が良いとは言えないが、変換効率20%の方を選びませんか?」


コメント
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