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ペリーは、手に持っていたペトリュスを抜栓し、ワイングラスに注いだ。
「和音さん、どうぞテイスティングを!」
和音はワイングラスを手に取り、色を確かめ、香りを嗅いだ。
そして、ワインを一口含んで、目を閉じると、ワインのラベルのイメージが湧いてきた。
赤いPETRVSの文字、1945年のヴィンテージ、そして男性の上半身像・・・・。
「おや?」
目を閉じたまま、和音がひと言発した。
ラベルの男性の上半身像は、キリスト十二使徒の一人で聖人ペトロである。
ペトロは、ラテン名ではペトリュスと呼ばれる。
ペトロは、天国の番人であることから右手に鍵を持っている。
ところが、和音のイメージのペトロには、右手の鍵が消えていた!
和音は、目を開いた。
「ヴィンテージを答えることができません。」
「答えることができない? ヴィンテージが判らないということかね?」
ペリーが訊ねた。
「いいえ!」
「ヴィンテージは判った? だが答えることができないとはどういうことだ!」
長尾は、二人のやりとりをハラハラして聞いていた。
「長尾社長、彼は勝負を放棄するつもりのようだ!」
「ペリーさん、ひょっとしてこのワインは・・・・。」
ペリーは、手に持っていたペトリュスを抜栓し、ワイングラスに注いだ。
「和音さん、どうぞテイスティングを!」
和音はワイングラスを手に取り、色を確かめ、香りを嗅いだ。
そして、ワインを一口含んで、目を閉じると、ワインのラベルのイメージが湧いてきた。
赤いPETRVSの文字、1945年のヴィンテージ、そして男性の上半身像・・・・。
「おや?」
目を閉じたまま、和音がひと言発した。
ラベルの男性の上半身像は、キリスト十二使徒の一人で聖人ペトロである。
ペトロは、ラテン名ではペトリュスと呼ばれる。
ペトロは、天国の番人であることから右手に鍵を持っている。
ところが、和音のイメージのペトロには、右手の鍵が消えていた!
和音は、目を開いた。
「ヴィンテージを答えることができません。」
「答えることができない? ヴィンテージが判らないということかね?」
ペリーが訊ねた。
「いいえ!」
「ヴィンテージは判った? だが答えることができないとはどういうことだ!」
長尾は、二人のやりとりをハラハラして聞いていた。
「長尾社長、彼は勝負を放棄するつもりのようだ!」
「ペリーさん、ひょっとしてこのワインは・・・・。」