ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 108ページ目 ペトリュスのなぞ? 

2012-05-14 20:33:11 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【108ページ】


「和音さんは、私に勝つ自信があると?」

「ペリーさんのペトリュスのヴィンテージを67%の確率で当てることができるそうです。」


ペリーは和音をチラッと一瞥した。


「3回出せば、2回は当てる自信があるということだね?」


「しかし、1回ははずすかもしれません。それは私の持つ運次第というか私とペリーさんとの

縁次第だと思います。」

「早速、長尾社長の運だめしをやりましょう。今回のテイスティング対決のルールの

確認ですが、長尾社長と私が選んだペトリュスを1本づつ出して、ヴィンテージを

当てるという内容です。この勝負に長尾社長が引き分けることができれば、業務提携の

契約を結びます。これでよろしいですか?」

「はい、承知しました。」

「それでは、長尾社長のペトリュスを出してください!」


長尾は、バッグから紙に覆われているワインとソムリエナイフを取り出した。

彼は手馴れた手つきでワインを抜栓し、テーブルの上に用意されたワイングラス

に注いだ。


「ペリーさん、テイスティングをお願いします。」


ペリーは、ワイングラスを手に取り、香りを嗅ぐと、不機嫌そうな表情を見せた。

そして、一口含むと、ワイングラスをテーブルに戻した。


「長尾社長、これはどういうことだね?」

「どういうこととは?」長尾が聞き返した。