ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 43ページ目 女性ソムリエとの出会い

2012-01-29 20:15:30 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【43ページ】


「今飲んだワインは・・。」

マスターが説明しかけた時、入店を知らせるライトが点滅した。

モニターに目をやると、十人前後の客が店に入ってくるところであった。

美紀は、ワインバーのドアを開け、客を迎えた。

「いらっしゃいませ!」

彼女は、客達を予約席に案内し、おしぼりと水を用意した。

マスターは、準備していたオードブルのセットを出し、美紀に手渡した。


 「マスターにワイン名を聞きそびれたわ!」良子が言った。

「田辺さんの推測通りだと思うよ!」

「和音さんは、どうして判るの?」

「そのワインの色、ほのかなワインの香り、そして田辺さんのテイスティング

コメントを聞いているとシャトー・ムートン・ロートシルト2003年だと思うよ」

「ヴィンテージまで判るの? ほんとうかしら?」


 マスターは、予約席の客達への対応を終え、和音と良子に話かけた。

「話の途中で、席を外してすみません。田辺さんが飲んだワイン名は・・」

「シャトー・ムートン・ロートシルト2003年でしょう?」

良子が言うと、マスターは驚いたような顔をした。

「よく当てましたね」

「いえ、私じゃないの。和音さんが教えてくれたのよ」

「なるほど、和さんがねえ・・・・。」