ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 38ページ目 女性ソムリエとの出会い

2012-01-15 20:05:01 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【38ページ】


 田辺 良子は、店内のオオカミグッズを眺めながら、

「またグッズの種類が増えたみたい」と呟いた。

そして奥のショットバーへのドアを開いた。

「美紀さん、こんばんわ!」

「今夜は、早いのね!」

「ええ、早番だったの」

良子は、美紀との挨拶を済ませると、マスターに話しかけた。

「マスター、こんばんわ!」

「やあ、いらっしゃい!」

マスターは、ワインのラベルを取り出し、良子に手渡した。

「これ、昨夜テイスティングしたワインのラベル!」

「いつもすみません」

良子は、マスターに頭を下げた。

「マスターのお陰で、テイスティングノートが充実してきたわ!」

良子は、バッグからラベル剥がしのシートを取り出し、

「お手数ですが、又ラベルの取り置きをお願いします。」

「わかった!」

マスターは、少し申し訳なさそうな顔をしながら、

「今夜は、予約の団体が入っていて、いつもの奥のテーブル席が空いてないのです。

カウンター席でもいいですか?」