ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 39ページ目 女性ソムリエとの出会い

2012-01-16 20:45:45 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【39ページ】


「ええ」

良子が答えると、マスターは和音の隣の席を手の平で示した。

男性の隣の席を勧められて、良子は戸惑った。

それに気づいたマスターは、良子にそっと耳打ちした。

「彼は、フランスの有名なシャトーのオーナー達と親交があるのですよ!

面白い話も聞けると思います。」

「ええ、わかったわ!」


 良子は和音に近づき、声をかけた。

「隣の席にお邪魔してもいいかしら?」

「美人でワイン好きの女性の申し出を断る人はいないでしょう」

和音は笑いながら返事をした。

「どうぞ!」

「田辺と申します」

良子は自己紹介をすると、和音の隣に座った。

「和音です。よろしく!」

「和音さん? どのような字ですか?」

「和楽器の和に音楽の音です。先祖は、紀州の殿様に使える和楽器奏者

だったようです。田辺さんはソムリエだそうですね?」

「はい、フレンチレストランのマリーナヴィレッジでソムリエをやっています。」

「いつも奥の席で、熱心にワインのテイスティングをしていますね?」