ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 34ページ目 若手天才ソムリエシュヴァリエ来日   

2012-01-11 20:34:54 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【34ページ】


「知人から聞いた和さんの噂だが、『自然の気』を感じることができるらしい」

「『気』ですか?」

「そうだ!子供の頃、身につけたらしい。」

「どのようして?」シュヴァリエは興味が湧いてきた。

「子供の頃、両親と世界遺産の奥深い古道をハイキングしていて、突然消えたらしい。

 二晩三日捜索して、やっと崖の枯れ葉の覆われた窪みの中で発見されたと聞いた!」

ルヴォル大使は、知人から聞いた話を思い出しながら伝えた。

「その時、山の神から自然の気を感じる力を授かったそうだ。」

「3本目のテイスティング対決の時、その特殊な能力を使ったと?」

「これは、私の推測だが、テイスティングでシュヴァリエと同様に、ワイン名と

ヴィンテージを判別すことができた。そしてラベルから発するピカソの情熱的な気を

感じたのではないかな? まああくまでも推測だが・・・・。」

「ルヴォル大使、ピカソの張替えを見抜けなかった私の負けを認めます。

もう一度、和音さんとのテイスティング対決の機会を作ってください!」

シュヴァリエの要望に対して、ルヴォル大使は笑いながら答えた。

「ああ、判った! シュヴァリエが世界最優秀ソムリエコンクルールの覇者になったら

最上のワインでプライベートワイン会を開いてあげるよ!」