ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 36ページ目 女性ソムリエとの出会い

2012-01-13 22:31:29 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【36ページ】


 「和さん、いらっしゃい!」マスターの坂場が挨拶した。

「やあ!」

和音が返事をしながら、テーブル席を見ると、予約席の立て札が置かれていた。

「今日は、予約客が多いみたいだね? 新しい看板の効果?」

「いえ、常連の丸山さんが仲間とのワイン会だそうです。」


 和音は、いつものカウンターの席に座ると、紙袋からワインを取り出しマスターに

手渡した。

「この店の常連客に飲ませてあげて!」

「これは、シャトー・ムートン・ロートシルト2,003年ですね?」

このワインのラベルは、貴族風の男性が椅子に座っているデザインだった。

「2003年は、今では入手困難になっていると聞きますよ。ほんとにいいの?」

「いいよ! 最初にいつもテイスティングしながらワインの勉強している女性のソムリエ

に飲ませてあげて!」

「はい、そうします。」

「今日のお奨めのワインは?」

「1991年に誕生したスロヴェニアのワインはいかがですか?」

「珍しいワインだね?」

「品質を守るために大量生産せず、大半が自国消費のため、世界市場にあまり

出回らない希少なワインです。」

マスターは、自慢げに話した。