ワインバーでのひととき

フィクションのワインのテイスティング対決のストーリーとワインバーでの女性ソムリエとの会話の楽しいワイン実用書

ワインバーでのひととき ファースト(改訂) 35ページ目 女性ソムリエとの出会い

2012-01-12 23:00:31 | ワインバーでのひととき1改訂四話 完
【35ページ】       女性ソムリエとの出会い


 和音 通は、神戸のにぎやかな繁華街を歩いていた。

手には、何かボトルのような物を持っている。

メイン通りのある交差点の角を曲がって、しばらく歩くと裏通りになっている。


 そしてオオカミのイルミネーションが光る看板の前で立ち止まった。

看板には、オオカミグッズ&ワインバー坂場と書かれている。

「この前までは、小さな看板だったが?」

和音が呟いた。

店内を覗くと、オオカミのグッズが所狭しと並べられている。

「看板は新しくなったが、初めての客は入るのをためらう店に変わりない!」


 「和さん、何しているの?」

店の奥のドアが開き、女性が出てきた。

彼女の名前は、坂場美紀でマスターの妹であった。

彼女は、店内の隠しカメラに映った和音の映像を見て、顔を出したのである。

「看板が替わったので、眺めていた!」

「新しい看板はどう?」

「オオカミの形をしたイルミネーションが華やかでよくなったよ!」

「でも新規のお客はいないみたい」

美紀は少し残念そうな顔をした。

会話を交わした後、二人は店内の奥に入って行った。