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「うまい話」は本当に無い?

2018-04-20 07:46:55 | 歴史から学ぶ

@江戸時代の商売で莫大な利益を得た業種の一つは「両替商」である。江戸時代貨幣の改鋳で何度か財政政策を行った、中でも有名なのは新井白石であり、江戸時代からの豪商、両替商は鴻池屋だった。さてこの小説での見所は「相場を操作」することで莫大な利益を目論む悪徳商を一気に奈落の地に落とす手立てだ。それはデマ・噂を広める「闇の読売」だった。現代でもそうだが「うまい話に飛びつく」人の多くは貪欲なのかもしれないが、そんなに「うまい話」は世間には無い。つい最近では「仮想通貨投資」で580億円の流出、約26万人に被害が及んだ事件だ。これは事前に技術的なセキュリティー強化をしていれば回避できたとのことだが、新しい会社、組織等では利益優先(貪欲)で、しかも経験不足と技術対応能力不足があった、とある。驚いたのは昨年秋口から仮想通貨の異常なブームと上昇価値カーブだ。たぶんだれもが「一攫千金」できると皮算用していた矢先の事件である。この仮想通貨は、この先次世代の主たる世界共通金融通貨になると確信しているが、世界に1600種類もある中で選別され、生き残る通貨がどれだけになるだろうかを見定めることが必要だと思う。仮想通貨自体のメリットは十分利用者に歓迎されており、後は税法を含む法的改革と、セキュリティー的技術革新が後押しできれば、世界の通貨として普及するだろう。淘汰には数年、改革・革新には5年はかかるのか?

『陽 炎の辻』佐伯泰英

  • 直心影流の達人、坂崎磐音。藩内騒動がもとで藩を離れ、江戸深川で浪々の日々を送る。ある日、磐音はふとした縁で両替商の用心棒を引き受けるが幕府の屋台骨を揺るがす大陰謀に巻き込まれてしまう。些細ごとにこだわらず春風のように穏やかな磐音が颯爽と悪を斬る、痛快時代小説
  • 江戸の両替屋の雇い人
  •             丁稚、振場役、平秤方、相場役、帳合役、支配人、老分
  • 田沼意次の貨幣鋳造
  •             南鐐二朱銀8枚で小判1両とした政策
  •             だが、実際1枚の純銀は2匁7分5厘、通用銀で55匁
  •             1両=70匁、差額は大きく違い両替屋の儲けを狂わせた
  •             両替屋の切賃(手数料)は20文〜40文が一般的だった
  • 悪徳両替商と幕府の政策を守る両替商との取引が争いとなる
  •             8枚で1両と10枚で1両、さらに偽南鐐を作らせ暴利を図る
  •             悪徳両替商、両替屋行司阿波屋有楽斎と備後福山藩主阿部
  •             それに対し今津屋と越後屋=幕府側との対決となる
  • 磐音は故郷で二人の友人とその許嫁を失くし、江戸に浪人として戻る
  •             ある噂から友人の許嫁が他の男と浮気していることを妬み、その許嫁を斬る、その許嫁の弟がそれを成敗しようとするが逆に斬られ、最期、磐音がその友人を斬る羽目となり脱藩し、江戸に戻る
  • 磐音はうなぎをさばく仕事、さらに今津屋両替屋の用心棒となる。次々と両替屋同士の争い巻き揉まれ、為替を利用した利ざやを増やそうとする悪徳両替屋は後ろ盾もあり今津屋=幕府支援を潰そうと図る。最期には為替の悪い吹聴を世間に流し逆に攻撃を仕掛ける。悪徳両替商は最期に後ろ盾の備後藩に証拠隠滅する目的で斬り殺される。