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中山敦史という漫画家

2013年09月08日 | いろいろレビュー
目力という言葉があります。

漫画にも『絵の力強さ』という表現を使うことが多いです。

力の強い絵柄はえてして好き嫌いがはっきり分かれますが
この人もそんな系統です。

【9速眼球アクティヴスリープ】
基本路線としては可愛いキャラがコメディータッチで進んでいく感じですが
『動きの演出』という点だったり
人物描写などにとにかく力強さを感じます。

読み手に体力を要求するといった感じでしょうか。

その一方で「この人は本当に漫画を描くのが好きなんだな」というのが紙面を通じて伝わってきて、
作品の感想と一緒に書き手の気持ちのようなものも感じることができます。

今現在ヤングジャンプで連載中の『ねじまきカギュー』も
途中でちょっとダレた感じは否めなかったものの
また疾走感を取り戻してきた感じで楽しみです。

そして同作家の作品でネットでも賛否両論というか
基本的には賛の方が多いんですがいろんな意味で問題作
『トラウマイスタ』です。
ストーリーは
小さいころに何らかのトラウマを抱えた人が
その心の傷を乗り越えることで傷自体が具象化した『アートマン』を使役できるようになります。
アートマンにはそれぞれ固有の能力がありますが例によってそんな力を自分たちのために使おうという悪人どもがいるわけですよ、
主人公たちはそんな悪の組織に幽閉された開発者を助け出すためにアートマンを使って戦う、と、

ジョジョ好きの人たちからは「スタンドだろ?」と言われてしまうこともありますが

いろんな制約があったりしますので僕は全力で否定します(=゜ω゜)ノ

さてこのトラウマイスタ
賛否両論の理由というのが
前半のまったり感と後半の疾走感というか狂想感の落差です。
最初の方では敵キャラもどこか抜けてるというか
なんか殺し合いの生臭さが薄いんですよ、
正直このあたりはガチなのかシャレなのか立ち位置が不透明で『つまらない』と感じる人もいるかもしれません。

しかし3巻後半
全部で5巻なのでちょうど折り返しの直後くらいですね。
とあるキャラが登場します。

こいつの出現で状況は一変

作風も一気に狂気をはらんだものに移行してきます。

バトル漫画で「こいつは強い!」っていう印象付けって重要だと思うんですが
中山作品では『強い!』ではなく『危険!』という扱いになることが多いです。
単に強いだけでなくて、生き死にの境目に立ってる、立たされてるっていう背中に氷を突っ込まれるような力量感です。

書評などでは
この漫画は当時サンデーで連載していて打ち切りが決まったから開き直ったっていうものもあります。
確かに前半部分で打ち切り決定みたいなものもあったかもしれません。
ただ全体の構成は最初から決まってたと思います。
ちなみに
5巻のうち3冊
左から2巻、4巻、5巻を並べてみました。
なお、4巻の幼女の股間からにょっきり出現してるのが『ダヴィンチ』、
幼女はダヴィンチの使役するアートマン『モナ・リザ』です。

表紙だけ見れば後半の狂気みたいな感じもしますが
2巻の表紙カバーをめくると

前半のまったりは後半の狂気の演出の一環だったと思います。

ただ
結果的には打ち切り説は正しいと思います。
後半のスピード感は半ば脱線&暴走気味にも近くて
結果的にいなくてもいい(と思ってしまう)キャラが出てしまったりした面もありますが
それでも正常と狂気はすぐ近くにある怖さを描き切ったことは名作と呼んでいいと思います。

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