内村特殊法務事務所、ただいま営業中

免許取消の回避&軽減、つまり免許停止にしたり処分無しにすることに関しては日本一を標榜しています。

優希ちゃんの遺したもの

2015年01月29日 | 拡張型心筋症の話
子供の人工心臓基準緩和…移植待ち女児死亡受け(読売新聞) - goo ニュース

治験の適用基準が緩和されるようですね。
今の段階では具体的にどう緩和されるのかは不透明ですが
心臓移植の国内待機登録でなければ使えないっていう、
ある種最も大きいハードルをクリアというか、

おかしな規制に風穴を開けたんですから
目先の問題でなく、ルールの方を変えさせた。

これは後世に語り継がれる偉業と呼んでも差し支えないと思います。


アマゾン会談

2015年01月28日 | 拡張型心筋症の話
先だってから何度かブログにもアップしている記事
が、いろんなところで反響を受けてます。

励ましのメールを頂くこともある。
批判のメールを頂くこともある。
どんな形であれ、いろんな人の考えるきっかけになってくれたのならありがたいです。

でも最も嬉しかったのは
当の本人であるアマゾンから『良かったです』と言ってもらえたことでした。

是非一度会いたいという話もあり、
僕も直接話を聞いてみたいということもあって
時間を調整して念願の遭遇となりました。

以前に会ったのは1年ちょっと前でしたが
さすがに少し小さくなってるように感じました。
怒涛の毎日で疲れているはずなのに満面の笑顔で迎えてくれるアマゾンでしたが
やはり最初に感じたのは「無理してないかな?」ということでした。

最初は軽く近況だったりとか格闘技談義から、
いよいよ核心に入ります。

そこで聞けたことは、
やっぱりマスコミなどのフィルターを通さない生々しいものでした。

僕は
いろいろ聞きたいこともありました。
でも現実に直面した時にできた質問は
「死生観とか、変わった?」その程度でした。

・・・
いよいよ危ないとなった時、
脳梗塞から意識が無い状態で脳死の判定テストというのが行われるそうですが、
子供の場合、それが3回あるそうです。
小さい体にいろんな刺激を与えてその反応を見る際、
微弱な脳波を拾うためにセンサーの感度も最強にするそうで・・・

「やっぱり親ですから、奇跡が起きるんじゃないかって、でも
だんだん奇跡が起きないこと、もうダメだってこと、分かるんですよ」

何枚かその時の写真も見せてもらいました。

僕がアマゾンとの話で一番印象深かったのが力の入らない優希ちゃんの体を抱っこした時に
「ああ・・・ここにはもう『生(せい)』はないんだ・・って実感しました」っていう言い回しです。

仮に、脳死だけどただ生きている、っていう状態を続けていくと
長期脳死という状態になり、体はだんだん弱っていくそうだ。
『命』があるのに、まだ温かいはずなのに、『生の終わり』を認めないといけないのは
どんなにか悔しかっただろう。

1時間半くらいの話の中で
アマゾンは一度も『命』という表現を使っていなかったように感じました。
『命』ではなく『生(せい)』、
命のリレーなどと言われるように、優希ちゃんの臓器は新たなレシピエントの中で生きています。
命そのものはつながっているのかもしれませんが、それは次の人の『生』であって、優希ちゃんの『生』は終わってしまっているわけです。

僕は今回会う中で
一つ決めていたことがあって、それは『絶対に泣かない』というものです。
日記や直接話す中でのアマゾンの印象は前を向いて進んでいくというものでした。
本人が乗り越えたという事件に対して外野が蒸し返すようなことはするべきではないと考えたからです。

でも
命の境にいる優希ちゃんの写真を見た時、そんな自戒は守れませんでしたね。

そして移植医療の現実の話も聞きました。
報道などでは『容体が急変したことで大人用の人工補助心臓をつないだ、海外の小児用人工補助心臓は使えなかった』というのが主な論調になっているのですが、もう少し正確に言えば、厳密にいえばドイツ、ベルリンハート社製の小児用人工補助心臓は使えるんです。

ただし、その場合は治験という扱いになって、細かい部分はいろんな誤解を招いたりすることも有るので割愛しますが、
最も重要なことは『国内での移植が前提になる』ということです。

容体が急変するという事は緊急事態なんですが
その状態で国内でドナーを待っている時間などありません。
また治験で繋いでしまうと海外でドナーを探すこともできませんし、見つかったからといってすぐに行くというような事もできません。

ちなみに
治験扱いでこのベルリンハート社の人工補助心臓が認証されているのは2012年です。
いったい2年以上も何をやってたんですかね?

また移植医療の現実というか国内で絶望的にドナーが少ない原因は、
もちろん文化として定着していないということもあるのですが、斡旋する医療機関が無いということです。
この場合の斡旋というのは臓器移植ネットワークのような仲介をする組織ということではなく、
「ドナーになりませんか?」あるいは「ドナーになってください」と持ち掛ける団体という意味です。

提供する側は自分で情報を探して「提供したい」と申し出なければなりません。
家族を失った直後にそんな申出ができるような人が一体どのくらいいるのかということですよ。

もちろん臓器売買につながりかねないとか
いろんな利権が絡みそうとか、疑惑を持てばキリがありませんが、
現実問題として疑惑になるほどの数にすら全く届いていないのが現状です。

もちろん両親には蛇蝎の如く忌まれるかもしれません。
しかし、そういうポジションの人も必要なんではないか?
あるいはもっと提供側の意識を変えるような広報活動などが必要だろうなと実感しました。

話を聞いてても悲しさと怒りと、いろんな感情が出てしまいますが、それでもアマゾンは
「誰も悪くないし、誰を恨んでるとか、そういうのも無いです」と応じます。
普通なら自分の辛さを紛らわせるために責任を外に求めることだってあると思いますが
この男はそういうことは一切しません。

また当初予定されていた実名での記者会見が突然中止になったことについても
「みんな本当に一生懸命やってくれたと思います。もちろんいろんな意見はあると思いますし、
違う立ち位置から言ってるから責められたりすることもあるかもしれないけど、最終的な目指すゴールは同じだと思うし、
その時点でできる限りのことはやってくれたと思います・・・」
外野でさえ会見中止までの流れにはワナワナする部分が山のようにあるのに
言いたいことは山ほどあるだろうに
そんな風に言えるのは大した男だなと思います。

そしてアマゾンが優希ちゃんをすごく褒めてたのは
『名を遺した』こと、
本人の弁を借りれば「80歳まで生きようが何も残せない人だってたくさんいる。
でも優希は色んなものを遺せたと思う、それって格闘技的な観点かもですよね(笑)」
死ぬほど練習してもラッキーパンチで秒殺されることもある。
好きなのに向いてなくて結果が出せないこともある。

そして、『ここで勝ったら死んでもいい』って思える瞬間があります。
命は手段の一つって考えるのは、そういう世界で生きてきたアマゾンならある意味当然のことかもしれない。

そんな中でも微笑ましい話もあって
今回優希ちゃんはいくつかの臓器を提供しましたが、角膜は提供していませんでした。
僕も知らなかったんですが、角膜って眼球ごと取るそうです。

「やっぱり女の子ですから、顔は可愛いままで送ってやりたいじゃないですか(笑)」

なるほど、
確かに目が見えなくても死なないですしね(笑)

告別式に参列した格闘家たちは
綺麗にお色直しされた優希ちゃんに会えましたが、
それにはこういう心遣いもあったようです。

アマゾン自身は
そういう運動家になるつもりもないそうで、
おかしな制度が変わるきっかけになってくれればいいと思ってます。
ということでした。

そして『選べないこと』の苦しさも繰り返してました。

僕は偉そうなことを言える立場ではないけど
何が一番いいかは
みんな分かってるはずだと思いますし、目的地も同じだと思うんですよ。

だったら、先に目的に到着=制度も変えてしまって選択肢を持てるようになって、
それからいくらでも批判すればいいと思います。

書ける範囲だとこんな感じですが
もっと生々しい話題もありました。

外野でさえ怒りに打ち震えるようなことなのに
本人からすればどれほどの事かって愕然とするような話も聞きました。

ですが、
本人がそれを公開しない以上僕の方から言うことではないと思います。

ただ、
文字通り死ぬより苦しい時間を過ごしてきた両親がいたこと、
それだけは風化させないようにしたいと思いました。

最後まで
聞くのを迷った質問がありました。
「優希ちゃんは、痛かったり苦しかったりしたのかな?」
「そういう感覚はなかったと思います。」
ほんの少しだけ、気休めかもしれませんが救われたような気がしました。


そして
アマゾンからもう少し選手を続けるという話も聞きました。
もちろん今後の将来設計などもあるでしょうけど、僕としては
いつか話にあった「ゆうちゃんが心配で柔道辞めちゃったの?」の答えでもあり
「前、向くしかないですから」と力強く答える笑顔に最初に感じた寂寥感を感じなかったのは、きっと僕の内心が表れていたからでしょう。

帰り際、
見えなくなるまで見送ってくれたアマゾンは
元通りのデカい最強柔術家『杉江アマゾン大輔』でした。








あーぁ
僕も柔術戻るところで、
同じ階級に最強のラスボスが出て来やがったよ(喜)

消えた火種を起こすようなことはしたくないんですが・・・

2015年01月20日 | 拡張型心筋症の話
女児臓器提供 両親「実名会見」と知らず 阪大病院が経緯説明(産経新聞) - goo ニュース

先日のコメント欄でも
関係者と思われる方からコメントを頂きました。
真逆の立場で相容れないことは分かっていますし
立場上身分を明かせない事情もあるでしょう。
ですが、いろんな意見が聞けてありがたかったし感謝しています。

ただ、
この会見で言われていることって
僕が関係者から直接見聞きしたこととかなり違うんですよ・・・

どんな事情があるかはわかりませんし
成功すればいいですけど失敗した場合の訴訟リスクを避けようとするのも仕方ないと思います。
ただ結果に対する訴訟リスクというのはどんな業界でも存在しますし
それの準備は結局のところ『現段階では最善の手段を尽くした』と胸を張って言えるかというただ一点に尽きると思うのです。

もちろん法制度やガイドラインの規定もあって
病院側にもできることとできないことがあるのは理解しています。
だからこそ、小児用人工補助心臓の認可がまだ確定していないのなら
早期認証を一緒に訴えかける運動してくれてもいいじゃないですか・・・

僕も含めて
移植ネットをバッシングしたいわけでもなく、病院批判したいわけでもなく
みんなでいい方向に向かえるやり方ってあるんじゃないかな?って

それだけなんですよ。

提供者の匿名性と言いますが
移植ネットワークは公式サイトでドナー(提供側)もレシピエント(提供される側)も
もちろん希望者から選抜された方々でしょうけど顔出し動画でいろいろ話してくれてるじゃないですか・・・

頂いたメール・・・

2015年01月18日 | 拡張型心筋症の話
ここ数日の優希ちゃんのブログに関して
大変な反響を頂いています。

ほとんどの方は正しい反応をしてくれているのですが
やはりというか・・・まぁ考え方なのですからその一事をもって悪いとは言えないんですが
批判メールのようなものも来ました。

主なものとしては
「可愛そうな女の子をブログのアクセスアップに使うクズ」というものです。

まぁ
クズとか守銭奴とか香ばしい言われようですが
まず、僕の事務所の取扱業務は『運転免許の取消を軽減すること』です。

この件で僕のブログに来てくれる人のどれ程がいったいどれだけ免許取消に該当しそうな状況なのでしょうか?
一言でいえば、ブログのアクセスが増えても僕自身には特に利益はありません。
実際問い合わせ件数も、ほとんど変わりませんでした。

ただ、
僕がクズであることと
制度がおかしいことには関係ありませんし
そんな僕をクズ呼ばわりする清廉潔白な方にも
移植医療の現状みたいなものが多少なりとも伝わったのなら、
それはそれで良かったんではないかと『良いクズ』は思うのです。


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どういうことだよ?

2015年01月17日 | 拡張型心筋症の話
臓器提供者の父「誇りに思う」 阪大は会見中止を要請(朝日新聞) - goo ニュース

裏でどんな事情があったのか分からないし
外に出せない話もあるはず、

それに法的な部分もあるだろう。
倫理的な部分もあるだろう。

でも
本当に
どういうことなんだろうな?

僕は医療の事はよく分からない、
もちろん分からないから勝手なことを書き殴って良いというわけじゃないことは分かってる。

ただ、
現場のドクターは目の前の患者を救いたいと思っていると信じたい、
その人たちもジレンマに苦しんでいると信じたい。

そして何よりも憤るべきは
政治的な動きが今の時点で何もないという事、
票集めのパフォーマンスでも構わない、それが社会に一石を投じるならそれもまた良しのはずなのに
厚生省関連の政治家が誰も声を上げていないという事だ。

前回のブログでも書いたけど
自分の体だったらどう思いますか?
自分よりも大切な人の体だったらどう思いますか?

写真見ましたが、
小さい女の子のお腹から大人の指より太いチューブが2本
心臓に直接つながってるんです。

全身の血液を一回出して再度入れるわけです。
それがどれくらい苦しいと思いますか?
自分よりももっともっと大切な人がこんな状態になって、

しかも
もっと苦しいことに
それにつながっているチューブの先にある機械は
本来の用途ではない・・・本来の用途ではないと言うのは語弊がありますが、
大人用の人工補助心臓です。

子供用というのもちゃんとあります。
ですが、それは使えません。

あまり具体的に使えない理由を書いてしまうと
関係ない所に批判が行ったり脅迫まがいの事も起こってしまうかもしれないのでかけないのは心苦しいですが、
これは単に当事者だけの問題ではなくなってしまうので書けません。

ただ、物理的に手の届くところに『小児用高性能人工補助心臓』はあったのです。

もちろん
小児用だったら絶対助かったと言えるものではないかもしれません。
血栓との因果関係は僕にはわかりません。

でも
出来るはずなのにできない現状だけは
少しの法改正だけで何とでもできるはずなんですよ。

それもまた
【出来るはずなのにやらない】事だと思います。



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誰がための制度?

2015年01月15日 | 拡張型心筋症の話
6歳未満の脳死判定 両親「少しでも光がともせたら」とコメント(産経新聞) - goo ニュース

NHKニュースにはもう少し詳しい記事があります。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150114/k10014677781000.html


最近ちょっとしたニュースになっていますが、
実はこの女の子『優希ちゃん』のお父さんは僕の友人の格闘家
日本最強柔術家の一角、杉江アマゾン大輔選手です。

彼はSNSでこの話を数か月前から綴っていました。
仲間の格闘家たちも募金やサポートに名乗りを上げ
ジムや道場に募金箱を設置しようとか、救う会を立ち上げようとか
いろんな動きが良い方向に向かおうとした矢先の出来事でした。

ニュースだけだと上辺の話しか報道されませんし
すぐに風化してしまいます。

特に僕が憤ったのがこの記事
移植ネット、両親のコメント一部削除
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150114-00000128-mai-sctch

一番大事なことが抜けてますよね?
ざっくり言えば、子供用の人工補助心臓というのがちゃんとあるのに
大人用の、それも簡易的なものしか使えなかったって話ですよ、

胡散臭い行政書士事務所のブログが
社会にどの程度の影響力を持っているかなんて分かりませんが
多少なりとも直接のやり取りをして関わって、いろんな話を聞く中で
生の声を伝えて、何かを感じて欲しいと思ってブログにしました。

当初は杉江アマゾン大輔(以下アマゾン)氏には
「顔出ししない範囲で何枚か写真を使わせてほしい」と申し出ました。

彼の答えは「写真は伝えるものだから顔出しで構いません」というものでした。

この場をお借りして感謝の言葉をお伝えしたいと思います。

以下、
人によってはショッキングな写真もあるかもしれませんが、
事実をお伝えしたいと思います。

事の起こりは去年の秋ごろ
体調不良から受診した病院で『拡張型心筋症』という病名を告げられました。
それまでは元気に遊んでいたのに、
幼稚園にも入園してこれからだったのに、

入院してほどなく
アマゾンはそれまで触ったことも無かったカメラを手に取りました。
それは大切な時間を綴じ込めようとしたのか、正気を保つために何かが必要だったのか
僕にはわかりません。

でもそこに写っている写真は
一枚残らず見る人の心を揺さぶるものでした。

入院してしばらくは普通に歩き回ったりもできたのですが

やがて移植以外に助かる選択肢が無いことが判明します。
しかし例によって日本の移植医療はなんかおかしい制度ばかり、
結局渡米して移植することになるのですが
それに係る莫大な費用など、問題は山積みでした。

ただ、
そこは格闘技界に多大な功績を残したアマゾンです。
すぐに周りの格闘家たちが立ち上がり『救う会』の設立や
ジムや道場での募金活動など、様々な形のサポートを名乗り出ました。

ですが、
救う会の準備も整いつつあった矢先、
残念ながら優希ちゃんは脳死判定されてしまいました。

およそ報道されるとしたらこんな感じだと思います。
(でも本当はもう少し書きたいことがあります。)

この病気では人工補助心臓というものをつなぐのですが
多少報道されていますがこの優希ちゃんにつながれたのは『大人用』の人工補助心臓です。

大人用というのがあるのですから当然【子供用】も存在します。
しかし、いろんなしがらみがあってその機械は使えないのです。
しがらみというのは要するに法制度だったり、
患者不在の政治的な部分です。

厳密にいえば本来の用途ではないのですから不具合も起こります。
しかもその不具合はそれほど珍しいものでもないそうです・・・

何より悔しいのはこの人工補助心臓はもうすぐ認可されるような段階だったとか・・・

スポーツ選手を日本代表で出場させるための帰化申請は普通の外国人よりも
あからさまに早く、スムーズに通す癖に
命に係わることでなにをチンタラやってるのか?

こんな時こそ政治的な判断が必要になってくるんじゃないですか?

さらに募金に関しても
誰でも彼でも勝手に始めていいというものではないということも今回初めて知りました。

結果、血栓ができてしまって開胸手術をしたり
何度も何度も管をつなぎ直したり、
幼稚園に上がったばかりの小さな体にはどれだけ苦しかったかは想像に難くありません。

人工透析が苦しいというのはよく聞きますが
同じように全身の血液を外部に循環させる補助心臓が楽なはずはありません。

それでも優希ちゃんは
お見舞いに来るアマゾンに「お父さんは柔道辞めちゃったの?」「ゆうちゃんが心配で柔道やめちゃったの?」とたずねていたそうだ、
自分の方がずっと苦しいだろうに大好きなパパの事を心配するような、そんな優しくて強い子だったそうです。
※柔道ではなくブラジリアン柔術の事ですが柔道と表現しています。

大量のチューブにつながれ、抱っこをせがまれても
触れられるのに抱しめられない、
日本で、世界で、並み居る強敵を撫で斬りにしてきたアマゾンの剛腕なのに、軽く触れる事しかできません。

こんなに近いのに
果てしなく遠いことを実感するのはどんなにか辛かったろうか?

アレルギー反応や炎症が出たり
抗生剤の影響で苦しい思いをしたり、
それでも遅ればせながらのクリスマスプレゼントを渡して
「元気になったら一緒に遊ぼう」と約束したり

それなのに
「よくあること」の血栓が脳の血管に回ることで脳梗塞を起こし
「障害が残るかもしれない」⇒「脳幹を圧迫すれば命も危ない」⇒「脳はほとんど機能していない」
この間わずか数日です。

小さな希望が芽吹く度に吹き飛ばされ、
何度も絶望に叩き落とされます。

医療制度に対する怒りもあったと思います。
でも優希ちゃんの前ではそんなそぶりも見せず、
「誰のせいでもない」と今できることを精いっぱいやってくれるドクターを信頼して
それでも【出来るはずの事ができない辛さ】【今そこにある小児用の人工補助心臓を使えない辛さ】は身を切られる思いだったと思います。

脳死という判定が下った時、まだ体温を感じられる最中に
他にも同じように移植を待っている子供たちのためと臓器提供の意思を伝えたそうです。

理由は「困っている人がいるなら助ける、それだけ」

本当に強いなと思います。

命のリレーという言葉があります。
綺麗な言葉だと思います。

誤解を恐れずに言えば『飾った言葉』だと思います。

リレーなら
バトンをつないだメンバーは最後に一緒に笑えます。

でも命のリレーは文字通り一人だけをつなぐことに他なりません。
そのバトンは、生きたかったけど生きられなかった
助けたかったけど助けられなかった、そんな気持ちの結晶なんだと、

単なる美談で収めるのではなく、助かるはずの命を助けられるように
制度っていうのは誰のためにあるのかって、

もっと考える機会になってほしいなと思いました。



一生懸命に頑張った優希ちゃんの御冥福をお祈りし
写真の使用を許可してくださった杉江アマゾン大輔氏の心意気に感謝します。









本当はもっと辛い写真もあります、
開胸手術の痕だったり
体から太いチューブが2本出ているところだったり・・・
でもそれは載せません。
やっぱり女の子ですから、
人前で肌を出すのは出来るだけ控えよう。と思ったのです。

人口に対する割合は低いかもしれない、
治療方法を確立しても儲けにはならないかもしれない、
でも子供を思う親の気持ちは誰でも同じだと思うんですよ。

政治かもしれない、
大人の事情かもしれない、
伝統とかそんな訳の分からないものかもしれない、
細かいことはどうでもいい、助かるはずの命ならまず助けて、方法が正しいかはそれから論じれば良いはずです。

現在進行形で苦しんでいる子供たちには『今』以外の時間なんて必要ではないんですから。


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