清純blog

本門佛立宗 常住寺住職・高野清純のブログ

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協力の徳

2014年12月17日 | 学び ・ すすめ

佛立第15世講有「日晨上人要語録」より。(太字は要語録の本文)


 

「悪いゾウに卵を踏みつぶされたスズメは、キツツキに訴えました。」

「どうか私のうらみをはらして下さい。」

キツツキは「苦しむ友を見捨てぬのが真の友といわれているから力を貸そう」といって、ハエとカエルの協力を得て、悪いゾウの征伐にかかりました。

弱い動物たちは相談し、ハエはゾウの耳に入り、キツツキはゾウの目をつつきました。目をやられたゾウに、カエルは鳴き声を出して水のありかを示すようにして、深い穴に誘導しました。悪いゾウはついに、穴におちてしまいました。

ここには、弱者同士が自分の身を守るために、どう協力すれば勝つかそのやり方が説かれています。協力は弱者を強者にします。


昔から「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあります。文殊は仏教では知恵をつかさどるお方です。

「膝とも談合」=相談するに足りないと思う人にでも、相談したらしただけの御利益がある。協力で利口になるという意味。


梅雨時の田園風景で、共同作業で田植えをしているのを見ると、人間の協力美を感じます。(逆に)最も親密な両親とか兄弟が協力しないで困るなどという話しを聞くとイヤな気持ちになります。当事者もさぞ不愉快なことでしょう。ですから、隣人との交わりも、勤務先、その他周囲との関係は、争わぬよう心がけ不愉快のたねを減少することが肝要です。世をうらみ、人をとがめてばかりいる人は、周囲の人々との関係に配慮が不足で、協力から生ずる楽しみを知らないようです。日頃相談しあったり、力の貸しあいのできる人は、人間関係の調節が上手な人で(中略)気持ちがよければ、それが健康にも影響し、気持ちに余裕があれば勉強も楽しくすすみ、人にも親切になり、さらに愉快になること請け合いです。


本文の途中には、肝心要の、「ご信心をさせていただく人々の、異体同心の和を破るようなことをするのはダメ」とお叱り下さってあります。このコラムは、本来はここがメインです。

日晨上人の要語録を拝読して、仏さまの教えを柱として、その教えのもとに集い、協力しあって、よい空気を広げていけるようになりたいものだと思ったものです。