雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

読書紹介 「聯合艦隊司令長官 山本五十六」(1)

2012-02-04 16:08:05 | 読書案内

読書紹介「聯合艦隊司令長官 山本五十六」

  半藤一利著 文芸春秋2011年11月刊(単行本)

 長い封建制度は終わりをつげ、明治近代国家が成立する。

欧米列強と肩を並べ、列強の侵略に対抗すべく、

明治政府は「富国強兵」スローガンに産業の振興と軍事力の強化に重点を置いた。

 アジアの東の果ての近代化から立遅れた「小さな国・日本」が、

近代化の波に乗り遅れまいと、がむしゃらに進んできた不幸な歴史がある。

 

 1940(昭和15)年9月、日本は、

ヒトラー率いるナチスドイツ、ムッソリーニ率いるイタリアと日独伊三国同盟を結んだ。

これは、事実上アメリカを仮想敵国とみなす条項を含む同盟だった。

 

 1941(昭和16)年末、つまり太平洋戦争開戦前夜のアメリカの原油の産出量は、

日本の740倍、言いかえると、日本の1年分の産出量を、アメリカは半日で生産することができた。

これまで、日本はアメリカから全面的に石油を輸入し、備蓄してきた。

 日独伊三国同盟締結にアメリカは当然のことながら、

石油の対日全面禁輸を措置する。

 

 開戦前夜の昭和十六年末の対米現有兵力は、日本の10倍と言われていました。

こうした現実をよく知っていて開戦に反対した、海軍次官山本五十六だったが、

運命の歯車は彼を開戦へと引きたてる。

 

 聯合艦隊司令長官として、海軍最高峰の重責を担うことになった山本は、

自ら提案した「真珠湾奇襲攻撃」の陣頭指揮に当たる……

                                                  (つづく)

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