北へふたり旅(26)
退院から一ヶ月が過ぎた。妻の握力はゆるやかな回復をみせている。
「あなたに残念なお知らせです。
今晩からお風呂にふたりで入れません。右手が使えそうです。
ごめんなさい。突然の悲しいお知らせで。うふっ」
もとに戻っていない。しかしタオルくらいは使えるという。
「そうか残念だ。
となると今夜が君の見納めになるのかな」
「あら。今日も洗ってくださるの?。
そういうことなら、明日からひとりで入ります。うふふ」
「三助の卒業試験ということで、妥協してくれ」
「助かります。
実はまだ、しびれがはしる時があるの」
「そんなことで大丈夫か?。
正月恒例の、初日の出コンペがあるんだぜ。
間に合うのか、君の右手は?」
「3ヶ月あるでしょ。
なんとかなるでしょ。それまで」
元旦の早朝。初日の出といっしょにスタートするゴルフコンペがある。
のんべぇたちの発案だ。
年末の打ち納めがあるなら、初日の出を見ながらのコンペがあっても
いいだろうということで、2年越しのゴルフがはじまった。
12月31日は参加できない。
1月1日なら大丈夫ということで、2人で参加するようになって6年が経つ。
「あっ・・・」あることに気がついた。
妻は骨折する前、長年愛用してきたドライバーを取り替えた。
きっかけをつくったのは、ひとまわり下の美女。
「ゼクシオ※が世代交代するの。
いまなら40%オフの5万円でドライバーが買えるわ」
※2000年に誕生したゴルフクラブの国産ブランド。
2018年秋、10代目になるゼクシオ10が発売された※
9万円をこえるドライバーが、40%オフの5万円。
妻は2つ返事でこの話にとびついた。
このとき買ったドライバーのシャフトの硬さは、「A」
「A」はアベレージの略。すこし力のある女性向け。
ヘッドスピードは、32~36m/sが目安になる。
女性用はもうひとつある。Aよりもやわらかい「L」。
レディースモデルのクラブはほとんどがこの「 L」シャフト。
ヘッドスピード(振りの速さ)に応じて、シャフトの硬さが設定される。
体格がよく、体力に自信があり、ヘッドスピードの速いゴルファーが、
柔らかいシャフトを使用するとシャフトがしなりすぎてしまう。
そのためにタイミングがあわなくなる。
ボールにうまく力が伝わらないことで、飛距離も落ちる。
ヘッドスピードが遅いゴルファーが硬いシャフトを使用すると、
シャフトがしならないため、やわらかいシャフトより曲りは少なくなる。
しかしそのぶん飛距離が落ちる。
妻のシャフトは、すべて「A」。
妻は10代の頃、本気でボウリングのプロを目指していた。
1970年代の前半。
女子プロボウラーの人気は、いまの女子プロゴルファーよりはるかに熱かった。
女子プロ1期生の須田開代子と中山律子は、人気アイドル以上の存在だった。
彼女たちがテレビに出ない日はなかった。
自分の限界を知った妻が、20歳を前にボウリングをあきらめた。
つぎに出会ったのがゴルフ。
ボウリングは左で投げたが、ゴルフは右で打った。
妻が練習をはじめたころ。左用のレディスクラブはほとんどなかった。
さいしょから右打ちのレフティとして、ゴルフに取り組んだ。
(このまま握力がもとに戻らなかったら、まずいことになる・・・)
(27)へつづく
退院から一ヶ月が過ぎた。妻の握力はゆるやかな回復をみせている。
「あなたに残念なお知らせです。
今晩からお風呂にふたりで入れません。右手が使えそうです。
ごめんなさい。突然の悲しいお知らせで。うふっ」
もとに戻っていない。しかしタオルくらいは使えるという。
「そうか残念だ。
となると今夜が君の見納めになるのかな」
「あら。今日も洗ってくださるの?。
そういうことなら、明日からひとりで入ります。うふふ」
「三助の卒業試験ということで、妥協してくれ」
「助かります。
実はまだ、しびれがはしる時があるの」
「そんなことで大丈夫か?。
正月恒例の、初日の出コンペがあるんだぜ。
間に合うのか、君の右手は?」
「3ヶ月あるでしょ。
なんとかなるでしょ。それまで」
元旦の早朝。初日の出といっしょにスタートするゴルフコンペがある。
のんべぇたちの発案だ。
年末の打ち納めがあるなら、初日の出を見ながらのコンペがあっても
いいだろうということで、2年越しのゴルフがはじまった。
12月31日は参加できない。
1月1日なら大丈夫ということで、2人で参加するようになって6年が経つ。
「あっ・・・」あることに気がついた。
妻は骨折する前、長年愛用してきたドライバーを取り替えた。
きっかけをつくったのは、ひとまわり下の美女。
「ゼクシオ※が世代交代するの。
いまなら40%オフの5万円でドライバーが買えるわ」
※2000年に誕生したゴルフクラブの国産ブランド。
2018年秋、10代目になるゼクシオ10が発売された※
9万円をこえるドライバーが、40%オフの5万円。
妻は2つ返事でこの話にとびついた。
このとき買ったドライバーのシャフトの硬さは、「A」
「A」はアベレージの略。すこし力のある女性向け。
ヘッドスピードは、32~36m/sが目安になる。
女性用はもうひとつある。Aよりもやわらかい「L」。
レディースモデルのクラブはほとんどがこの「 L」シャフト。
ヘッドスピード(振りの速さ)に応じて、シャフトの硬さが設定される。
体格がよく、体力に自信があり、ヘッドスピードの速いゴルファーが、
柔らかいシャフトを使用するとシャフトがしなりすぎてしまう。
そのためにタイミングがあわなくなる。
ボールにうまく力が伝わらないことで、飛距離も落ちる。
ヘッドスピードが遅いゴルファーが硬いシャフトを使用すると、
シャフトがしならないため、やわらかいシャフトより曲りは少なくなる。
しかしそのぶん飛距離が落ちる。
妻のシャフトは、すべて「A」。
妻は10代の頃、本気でボウリングのプロを目指していた。
1970年代の前半。
女子プロボウラーの人気は、いまの女子プロゴルファーよりはるかに熱かった。
女子プロ1期生の須田開代子と中山律子は、人気アイドル以上の存在だった。
彼女たちがテレビに出ない日はなかった。
自分の限界を知った妻が、20歳を前にボウリングをあきらめた。
つぎに出会ったのがゴルフ。
ボウリングは左で投げたが、ゴルフは右で打った。
妻が練習をはじめたころ。左用のレディスクラブはほとんどなかった。
さいしょから右打ちのレフティとして、ゴルフに取り組んだ。
(このまま握力がもとに戻らなかったら、まずいことになる・・・)
(27)へつづく
誰もしらないでしょうがサンエス
丁度半世紀前・・諏訪にサンエススケート
というスケート靴のメーカーがあり
そのメーカーがゴルフクラブを作り
そのフルセット・・一番から五番
までが柿のウッドヘッド・・当時、私のサラリーの二ヶ月分・・
今は飾り物です。今はミズノのハーフ
で十分です。でも腱鞘炎がひどくなり
休眠中です、 ゴルフもなんでも
体調の何処かに弱みがありますと
ホント大変です、パリンピックの
選手たちには・・ホント感動します
古き良き時代のゴルフ。
懐かしいですねぇ~。
茄子の収穫もいまがピーク。
ハウスの中に、真っ黒のナスがこれでもかと
ぶら下がっています。
晴天がつづくとナスは、茄子紺とよばれる
色になりますが、
日の出ない雨の日は、赤い色の茄子になります。
お天道様の存在は、ほんと、ありがたいですね。