☆アニメ「地球へ…」の二次小説です
<用語>
木星軌道上の衛星メティス キースとジョミーがいる太陽系拠点
惑星メサイア ミュウが向かった新しい移住惑星
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム
「君がいる幸せ」一章「黄昏の海」
番外「ウルドの泉」二話(二年前)
キースは医師を呼び、ひと通りの検査をさせたが結果に異常はなかった。
サイオンの数値の異常も今はもう出ていなかった。
ジョミーに関するミュウの能力や身体のデータは知っていはるけれど、まだわからない部分があるのなら本人に聞くしかない。
「もう、大丈夫だから」と言われても、部屋を出る気はキースには無かった。
ジョミーはベッドではなくソファーに横になっていた。
「どうしたんだ。一体何をした?」
ジョミーは考えながら話出した。
「ん…実は治癒がうまく出来ないから練習をしてた…だけど…何故か」
ジョミーの手のひらからサイオンが出る。
「こうなっちゃうんだ」
「え?」
よく見るとサイオンが青ではなく少しピンク色をしている。
「これに反応して異常な数値が出たのか?」
すぅっと消えるサイオン。
「多分…僕にもよくわかってない…。僕に治癒は無理なのかも…カリナに練習するように言われたのに…」
そう独り言のように言うと、横にいるキースに手を伸ばした。
「ちゃんと治せてたら…こんな酷い傷が残る事も無かった…」
服の上からキースの傷跡に触った。
焼けただれた傷跡は随分ときれいになっていたが、まだ痛む時があった。そこは敏感になっていて触れられると痛みと共にぞくっとする感覚が走る。
キースはその痛みよりも、目の前にいるジョミーから感じる違和感が大きかった。
「おい、お前、どうしたんだ?」
ジョミーはキースの顔をじっと見つめていた。
キースは戸惑いを感じたまま「ジョミー・マーキス・シン」と再び声をかけた。
「フルネームで呼ぶのをやめて、ジョミーだけでいい…」
と怒ったようにじっと目を見てくる。
「では、ジョミー。前にもこんな風になったことは?」
「んー、お酒を飲んだ時になったかな?船でね。キムと作って遊んだ事があって、後から叱られた。僕、弱いんだって」と笑った。
「……」
何だ?それは?サイオンで酔っ払っているのか?それか、サイオンが酔っ払っているのか??
「確かに酔っ払っているような感じはするな…」
とキースはジョミーを眺める。
「今はお酒なんて飲んでないけど、治癒は微妙だから、やっぱり僕向きじゃ無いんだろうね」
「……」
キースの違和感はまだ続いている。だが、今はどうしてそうなったかは後にして、こんな状態で本気でも出されたらマズイ事になる。ここは何も無いような宇宙空間ではないのだ。
キースは部屋の操作パネルまで行きサイオンに対するシールドのレベルを二つ上げた。
普通のミュウだと動けなくなるレベルだ。ジョミーには少し息苦しくなる程度だった。
「ねぇ、キース。あの時ってさ…」とすぐ後ろから声がした。
「いつのことだ?」
「ちょっと気になってたんだ。世界樹(イグドラシル)で…エレベーターで僕がシロエになってた時、あの時、最後のキスは僕だとわかっててしたよね?」
と言いながら、また傷に触れてきた。
かすかな痛みとともに、自分に触れるジョミーの指を感じた。
つづく
<用語>
木星軌道上の衛星メティス キースとジョミーがいる太陽系拠点
惑星メサイア ミュウが向かった新しい移住惑星
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム
「君がいる幸せ」一章「黄昏の海」
番外「ウルドの泉」二話(二年前)
キースは医師を呼び、ひと通りの検査をさせたが結果に異常はなかった。
サイオンの数値の異常も今はもう出ていなかった。
ジョミーに関するミュウの能力や身体のデータは知っていはるけれど、まだわからない部分があるのなら本人に聞くしかない。
「もう、大丈夫だから」と言われても、部屋を出る気はキースには無かった。
ジョミーはベッドではなくソファーに横になっていた。
「どうしたんだ。一体何をした?」
ジョミーは考えながら話出した。
「ん…実は治癒がうまく出来ないから練習をしてた…だけど…何故か」
ジョミーの手のひらからサイオンが出る。
「こうなっちゃうんだ」
「え?」
よく見るとサイオンが青ではなく少しピンク色をしている。
「これに反応して異常な数値が出たのか?」
すぅっと消えるサイオン。
「多分…僕にもよくわかってない…。僕に治癒は無理なのかも…カリナに練習するように言われたのに…」
そう独り言のように言うと、横にいるキースに手を伸ばした。
「ちゃんと治せてたら…こんな酷い傷が残る事も無かった…」
服の上からキースの傷跡に触った。
焼けただれた傷跡は随分ときれいになっていたが、まだ痛む時があった。そこは敏感になっていて触れられると痛みと共にぞくっとする感覚が走る。
キースはその痛みよりも、目の前にいるジョミーから感じる違和感が大きかった。
「おい、お前、どうしたんだ?」
ジョミーはキースの顔をじっと見つめていた。
キースは戸惑いを感じたまま「ジョミー・マーキス・シン」と再び声をかけた。
「フルネームで呼ぶのをやめて、ジョミーだけでいい…」
と怒ったようにじっと目を見てくる。
「では、ジョミー。前にもこんな風になったことは?」
「んー、お酒を飲んだ時になったかな?船でね。キムと作って遊んだ事があって、後から叱られた。僕、弱いんだって」と笑った。
「……」
何だ?それは?サイオンで酔っ払っているのか?それか、サイオンが酔っ払っているのか??
「確かに酔っ払っているような感じはするな…」
とキースはジョミーを眺める。
「今はお酒なんて飲んでないけど、治癒は微妙だから、やっぱり僕向きじゃ無いんだろうね」
「……」
キースの違和感はまだ続いている。だが、今はどうしてそうなったかは後にして、こんな状態で本気でも出されたらマズイ事になる。ここは何も無いような宇宙空間ではないのだ。
キースは部屋の操作パネルまで行きサイオンに対するシールドのレベルを二つ上げた。
普通のミュウだと動けなくなるレベルだ。ジョミーには少し息苦しくなる程度だった。
「ねぇ、キース。あの時ってさ…」とすぐ後ろから声がした。
「いつのことだ?」
「ちょっと気になってたんだ。世界樹(イグドラシル)で…エレベーターで僕がシロエになってた時、あの時、最後のキスは僕だとわかっててしたよね?」
と言いながら、また傷に触れてきた。
かすかな痛みとともに、自分に触れるジョミーの指を感じた。
つづく