君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

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☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 四章「心のままに」十話 「出会い」3

2011-12-14 01:25:55 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)十話

   Epilogue Bridge「出会い」3(全五話)  
※この章は流血もBLもあります。時間も飛びます。ご注意を!
   Noah 現在
 会議が終わり、ジョミーはスメールに戻ろうと空港に向かった。
 手続きをする為カウンターへ行こうとすると、そこに、ヴィーが待っていた。
「はじめまして」
 彼は軍式の挨拶をしてきた。
「君は議長の護衛の…」
「ヴィーと言います。あなたはジョミー。いえ、ジュピターと呼ぶべきでしょうか?」
 挑戦的な目で睨むように見てくる彼を、少し不思議そうな眼差しで見返した後、ジョミーはこう答えた。
「どちらも同じ僕ですから、好きなように呼んでくれてかまわないよ」
 ヴィーは一瞬ムッとした。
 ジョミーが「ジュピター」である事は公になっていなかった。
 それはごく一部にしか知らされていない。そして、口外は許されていない事だった。
 それを言ったのに、責めてこないのが面白くなかった。
「ノアのあの場所に居たことは糾弾されていないようですね」
「…そうか。君はあの時の少年か…また会えるような気がしていたよ。あの頃の僕の行動は、機密事項になってるから大丈夫だ」
 ジュピターの名を出した時から判っていたのに、今思い出したような事を言ったジョミーにヴィーは喧嘩腰になった。
「機密?何か持ち出したのに?ミュウなのに?それは反逆罪になるんじゃないのか?」
 銃を出そうとした。
 音もなく、すぐ真横に来たジョミーがヴィーの手を押さえた。
「それは出さないで、見られたら問題になる」
 押さえられて動けないヴィー。
 ヴィーも確かにここで銃を向けるのはマズイ事と、思ったが、能力で何とか出来る相手でも無い事もわかっていた。
「…君とは話がしたいと思っていた。ここだといい場所が無いな」
  Shangri-La
(なんで連れて来たんだよ?)トォニィがジョミーだけに聞こえるように文句を言った。
「ミュウだから」
「…あ…(そんな)」
「お久しぶりです。ソルジャー・トォニィ」
「久しぶり、ヴィー」
 にっこり笑うトォニィ。
「僕をこんな所に連れてきてどうするんです?」
「君も一応ミュウなら、ここを知っておいて損は無いだろう?」
「知る?何をですか?知る必要なんてない。僕はお前達の仲間なんかじゃない」
「ミュウの部隊で働いているのに?」とトォニィが言った。
「それでも…僕は違う」
 ジョミーは何も言わずにヴィーを見ていた。
 昔、僕は彼が今言った言葉をそのままブルーや皆にぶつけた。
 無知としか言えないが、知らないと言う事は、知識が与えられていないという事は、とても、残酷な事なんだと思った。
 でもそれは彼のせいではない、けれど、同じミュウ同士でありながら、理解されない寂しさが胸を締付けた。
 もっとちゃんと自分達を理解してもらう必要がある。
 ミュウを取り巻く状況も複雑になってきている。
 今までと同じではダメなんだ。
「ヴィー。だったら力を使うなよ」
「僕だって好きでこうなったんじゃない!」
「……」
「僕は成人検査は受け合格した。だけど、戦争で、SD体制が無くなってしまって、僕が行くはずだった教育ステーションは封鎖されて、僕らは行く所も帰る所もなくなったんだ。両親はもう居ないし、記憶は消えてゆくし…。そんなだから、僕らは大人と扱ってはもらえなかった…。それはすべて、お前たちがした事じゃないか!だから、俺はお前たちが憎い」
「それは、言いがかりだ!SD体制は人間自身も壊したんだ」
「お前達が戦争を起こしたんだ!」
 ヴィーがサイオンを放ち始めた。
「こいつ!」
 トォニィの目が光る。
「……」
 ジョミーは二人の間に割って入った。

「ヴィー。聞くけど、それは、体制は徐々に移行していったはずだ。君にはその時勢は読めていただろう?」
「え、そ…そう。だけど。14歳の俺に何が出来た?」
「そうだね」
 ジョミーが冷たく言った。
「そうって、それだけ?謝るとかしないのか!?」
 ギッとトォニィが睨みつける。
 ジョミーはそれを目で制した。
「謝る?」
「ああ!謝れよ」
「謝らないよ。僕らは…」
「なんで?あいつらには謝ったのに?」
「…あいつらとは?」
 ジョミーの雰囲気が変わる。
「ノアの運び屋で人身売買してたあいつらだよ」
「…どうして知っている?」
「俺の部隊が捕まえた。泣いて謝ったんだろ?」
 ヴィーにやりと笑う。
「人類が…僕の記憶操作を破ったのか?…お前はミュウの能力を使った上で、機械で無理やり…記憶を出させたんだな。むごい事を…精神が…自我が崩壊してしまうぞ…」
「それが僕の仕事だ」
「そうか…」
 ジョミーは目を伏せた。
「また。それだけ?あいつらが、どうなったか知りたくないのか?」
「…想像はつく」
「あいつらは処刑されたよ。仕事を依頼してたやつらは逃げたのに」
「全員処刑か?」
「そりゃ、当たり前だ」
「わかった」
「…薄情なんだな。ジョミーは良い人で通っているのに、ジュピターは冷たいんだな」
 とヴィーが皮肉たっぷりに言った。。
「お前達が捕らえ、話させたのなら事情は知っているだろう?大戦後の混乱の中、彼らの居住区にミュウ因子を持つ者が沢山現れた。その情報はデマなのに…。それなのに、町は軍に焼かれたんだ。それが僕らのせいなら…謝りもする」
「だったら、なんで。僕には言わないんだ」
「ヴィー。君は僕に何をどう言って欲しいんだ?ミュウになってしまってすまないと、かわいそうだと言えばいいのか?それで君は満足するのか?気がついていて何もしていなかったのは、君だろう?」
「何もしていなかった訳じゃない!」
「ならば、今さら、僕を見ていても仕方が無い。君は君を見つけろ」
「なにが、お前なんかを見ていない」
「進みだしたのなら、君の道を進めばいい」
「お前何を言ってるんだ」

 ヴィーにはジョミーが言おうとしている意味はわかっていた。
 だが、簡単には納得が出来ないでいた。
 ジョミーに謝って欲しい訳じゃない。
 慰めて欲しい訳でもないのに、どうしようもなく苛立つのだろう。
 悔しくて仕方が無かった。
 こうして目の前に居るのに、話しているのにどうも違う。
 対等に扱えと思っているのでもないのに、相手にされていない気がするのは、ミュウの能力とかそういう物の差でもなかった。
 自分が勝手に同等だと思い込み、喧嘩を売り相手を怒らせ。
 それで何を得ようとしていたのだろうか?
 そんな物は自己満足でしかないと、相手を貶めて自分が上だと認めさせる行為を自分はしてきたのだと思い知らされていた。
「……」
 ギッとジョミーを睨みつけた。

「トォニィ。戦ってみる?」
「え?」
「どうせなら、お前がと良い」
 ヴィーが言った。
「はっきり言うね」

 トォニィは、さっきのジュピターのくだりを理解出来ないでいたが、ジョミーが怒っているのはわかった。
 多分、それはヴィーも感じているだろう。



  続く



隠し部屋を作りました。

2011-12-14 01:24:47 | 月イチ雑記「青い星」
昨日作成した
隠し部屋の入室案内です。
カテゴリーからパスワード入力で入れます。
15禁と18禁の境が曖昧で、個人的にヤバイかも(18禁かな?)と思ったものを置いていきます。
なので…大した事ないな~と思われるのもあると思いますが、お許し下さいませ。

隠部屋作成記念?
先行公開(試験公開)「君ノ存在」(原案)を試しで置いておきました。
これは18禁でも15禁でもないですが、覗いて頂けたら嬉しいです。