君とともに生き、君とともに逝くのならば、僕は君の為に生きよう。

真城灯火の小説ブログです。
二次小説とオリジナル小説の置き場となっています。
同人に傾いているので入室注意★

☆ご案内☆

☆入室ありがとうございます☆ PN:真城灯火です。 『小説家になろう』で書いています。「なろう」で書いている小説も転載させていますが、ここはアニメ「地球へ…」の二次小説置き場です。本編の『君がいる幸せ』は終了しています。今は続編の『限りある永遠』を連載中です☆まずは、カテゴリーの「はじめに」と「目次」「年表」で(設定やR指定について等…)ご確認の上、お進み下さい。 ブログタイトルですが、これの「君」は自分自身、心の事で、「僕」は自分の身体の事です。 自分の心がそうであるなら、自分はそれに従う覚悟を意味しています。 だから、ジョミーや誰かが一方的に誰かに…って意味ではありません。(小説停滞中) 2021年に、他にあるブログを統合させたので、日常の駄文とゲームの話が混ざった状態になっています。

『君がいる幸せ』 四章「心のままに」九話 「出会い」2

2011-12-12 02:48:14 | 『君がいる幸せ』本編四章「心のままに」
☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
 <用語>
惑星ノア 大戦時ミュウが陥落させた人類の首都星 今は人類に返還している
惑星メサイア ミュウが移住した惑星
育英都市スメール フィシスとカナリア達が住む都市
木星軌道上の衛星都市メティス 二人がいた建物
ジュピター キース警護時のジョミーのコードネーム(シャトル所有)

   『君がいる幸せ』 四章「心のままに」(短編集)九話

   Epilogue Bridge「出会い」2  
※この章は流血もBLもあります。時間も飛びます。ご注意を!
☆くじCPにキース・ジョミー・ヴィーの「トライアングル」もUP。

  Pesetra 現在
 キースを守るミュウの部隊に優秀な者がいると聞いて、興味を持ったのはトォニィだった。
 トォニィは都合をつけて早速見に行く事にした。
 ペセトラ基地には何度も来ていたが、そのミュウに会っていなかった。
 彼は惑星ノア出身で最近ミュウになったらしく、その能力の高さを認められてペセトラに来たキースの護衛にあたっているとの事だった。
 そのミュウの名前はヴィー。
 十八歳でその位置につけるとは本当に優秀なんだとトォニィ思った。
 一度、遠くから見た時、心なしか容姿があのマツカに似ている気がした。
 そう言うと、セルジュが嫌な顔をした。
 セルジュはヴィーが苦手だった。
「マツカを思わせる容姿で性格がキツイとギャップがあって…」とセルジュは言った。
 トォニィはこの手でマツカを殺してきている身だ。
 気持ちは良くはないが、強いミュウには興味があった。

 ある日、会う機会が訪れた。
 ここペセトラではセルジュがそのミュウの上司になるので、彼を介して会ったのだが、セルジュがいるにもかかわらずにテレパシーで会話をしてきた。
(戦艦ブラウに助けられたミュウです)
 生意気に! 
 とトォニィは思った。
 ミュウになった経緯を聞くと、
「あなた方がSD体制を壊して一番被害にあったのは僕たちなんです」と言った。
 四年前、十四歳だった彼は、こう言った。
「崩壊してすぐはまだ体制がきまらず、僕らは放置された。教育ステーションにも行ってもすぐに育った家に戻された。だけど親は育てる権利を放棄していた。だから、仕方なくそういう子供達は集めらた。そんな中、覚醒してしまった僕はますますいらない子・邪魔な子として扱われた」
「人類の施設を抜け出して彷徨っている時に、ミュウの戦艦ブラウに拾われて、ミュウのそういった子を集めている家に入ったが、そこでなじめずにすぐ軍に志願したらしい」
 とセルジュが資料を見ながら補足した。
「君の境遇はわかった」
 トォニィにはもっと聞きたい事があったのだが、ヴィーとの会話はそれで終える事にした。
  ヴィーと帰ってから、トォニィはセルジュに言った。
「あの子はミュウに敵意があるね。ミュウに対してだけだなく。人類に対しても、まわり全てが敵みたいだ」
 それは、以前トォニィ自身がジョミーにしか心を許さなかったのと似ている気がした。
 ミュウに敵意と言ったが、もっと別の感情が彼にはある気がした。
 ああいう面倒なヤツは相手をしたくないなぁ、と思うトォニィだった。

「あれが、ソルジャー・トォニィか…」ヴィーは呟いた。
 そう、見捨てられた俺は軍に入った。
 二年前、警備兵だった俺はミュウの能力を買われてミュウの部隊に入る事になった。
 部隊に入って。その時、渡された資料にカナリア事件の記事とミュウの資料があった。
 ソルジャー・シンとソルジャー・トォニィの名前は知ってたが、その育ちを見ると自分はジョミーと似ていると思った。
 同じ様に14歳で覚醒。
 ミュウに助けられたタイプブルー。
 俺のサイオンはタイプブルーではなくてタイプイエローだけど攻撃能力は高い。
 サイオン能力に変化を持たせられるのはソルジャーだけ、俺はタイプブルーになりたかった。
 そして、キースの警護に正式に加わる事となったヴィーはペセトラからノアへ勤務地が変わった。
 ヴィーは自分を認めてくれたキースを尊敬していた。
 キースの護衛についている者から昔、警護にあたっていたジョミーの話を聞いた。
「ミュウを率いて戦ってきたと言うと、とても怖いようなイメージがあるが、本人はいたって普通の人間だった。だがミュウの能力は格段に高くて、警護にあたると言うより、それを未然に防いでしまって…。だから、彼が居る時は側にいる人数がすごく少なかった。
もしかしたら彼一人でよかったくらいに」
 だけど、そんなジョミーへの賛辞は自分へのあてつけに聞こえて面白くなかった。
 その後もトォニィはヴィーを調べるのをやめていなかった。
「俺はミュウじゃなく、人間でもないどっちにも付かない」
 そうヴィーが良く言うと聞きき、そう言って否定するくせにやたらとプライドが高い。
 実際はミュウとしての能力が高いから人より自分は上だと思っているだけのやつだ。とトォニィは分析した。
 トォニィはミュウの仲間としては「彼は除外」と切り捨てていた。
 だが、彼がキースに懐いている事が気になっていた。
 それと自分にではなくジョミーに対する微妙な感情がある気がすると思っていた。。
 幸せな家庭に育ち、恵まれた能力と地位を持つのが、ジョミーだと勝手に思い込み敵視しているのだと言った。
 トォニィはヴィーがジョミーと会ったら、問題になるかもと思っていた。

 その日はすぐにやってきた。
 キースの警護なのだから公式行事に出席するジョミーとは会う事はある筈だった。
「1回本気を見せればそんな甘っちろい事は言わなくなる」
 トォニィは脅して屈服させてしまえば良いと言った。
 ジョミーも彼と自分は似ていると思っていた。
 人間であり続けようと努力して、ミュウになろうと努力して、自分は何になりたかった?
 それで何になった?
「彼はまだこれからだから」
「ジョミー。僕に向かってくるなら相手するけど…僕はちょっと…」とトォニィが躊躇する。
「ソルジャー・トォニィ」
「やっぱり、僕の役目だというの?」
「前に軍部にも目を向けないといけないって言ったよね?彼がミュウとして扱われているなら、何かあった場合僕たちの事として人々は見るのだろう。だから…」
「仲間に入ってこようとしない者の責任までみるの?」
「そう。彼が来なくてもね」
「気にいらないな」とトォニィが言った。
 ジョミーはセルジュの口癖をトォニィが口にした事が面白く思った。


  続く