さて、うちには銀行さんが二つ入っているのだが、メインバンクの方の担当者はあまり顔を出さないものだから、手形を割る時もちょっとお金が必要な時も、もう一つの方ばかり利用していたようで、また今日も今すぐ割らなくて済む手形を彼に預けたようだ。
「依頼がなくて困ってるだとよ」と社長はまんざらでもない顔をするけれど、困ったって構いやしないじゃないか。こっちが困ってる時さっと手を引くのがあの人達なのだから。
まったく、どうやっていつもこう泣きつくのがうまいんだろう。
私はここら辺りが面白くなかったから、メインバンクの担当者が変わって挨拶したがっているのを知った時に、社長にその話をしてアポを取ってもらった。それから、この担当者もうちの会社に出入りするようになったのだが、この人はどういう訳か間が悪い。
丁度忙しくて社長の機嫌が悪い時に電話してきたり(たまたまなのだが)、今日も来た時はもう一つの銀行と打ち合わせしていた時だったから、手渡すものだけ玄関先で渡して社長には会えずじまいだった。
その時に
「この前sakeさんから返してもらった受取書の前に、社長に預けているものがあるんですよ。ほら、ここ。先月の話になってしまうんですが。それを頂きたかったんです。」
と言う。
「あぁ、そうですか。。。でも、もう無いかもしれません。。。。」
(どこかにはあるかもしれないが、社長はそれを銀行に戻す紙切れだと言う認識はないだろうからどうなっているか定かではなく、無いに等しいそれを探してもらうのは恐れ多いと言うか、また機嫌が悪くなるから、ゼッタイにしたくないことだった)
「いえいえ!無ければいいんです。ここに署名捺印いただければ。」
「そうですか。これは社判なら何でもいいんですか?」
「いえ、銀行の届け印です。」
「それじゃ、社長でないと押せませんね。」
「そうですか。それでは今度探しておいていただけたらと・・・。」
「あぁ。それなら、今度(アナタが)来た時にその旨社長に直接言って、探してもらうなり、社判を押してもらうなりしてください。・・・と言うのは、その前に私が間に入ってまどろっこしく説明すると、【何だよ、それは!】とか怒り出すんです。その時にコトを説明して一気に片付けた方があの人の神経を逆なでしないで済みますから。。。」
と言うと、彼は状況をすばやく理解し、そうしましょう、とすごすご帰って行った。
不親切なようだが、この2人の間には極力入らないように心がけている。
今まで何回墓穴を掘ったか。
そして、また一度怒られてしまうと、怒られスパイラルがグルグルグルグル回転しだすんだ。
今月の社長の夏休みでやっとあのグルグルが止まったんだから、もう余計な墓穴は掘らないようにしよう。
だいたい、あの天下の代表取締役様が、銀行から預かっている受取書ペラ1枚を20分も30分も探すわけないではないか。最初からそれは帰り際こっそり私に預けてくれればいいってことに早く気づいてほしい。
銀行と言えば、下請けさんであちこちからの借金でかなり首が回らなくなっている人がいるらしい。
前々からお金にうるおっているようには見えなかったが、ここで1年ぶりにまたお会いするようになって、ますます苦しい度合いが増しているように思う。
例えば、支払いを約束の日まで待ってられない。「もう少し先にもらえないか」と言うのが、ここ毎月のように続く。
前の会社でもウワサは聞いていた。
ウワサだからどこまで本当かどうか分からないが、仕事がないとパチンコをしてると聞いた。
奥さんは電話でしかお話したことがないが、可愛らしくて丁寧な方だった。
どうなさっているのだろうか。
それからいつだったか、あの人忘年会の時に勝手に手をつないできたんだよね~~あぁ気持悪~。
私だったら、そんな人とはもう離婚する・・・かも。
でもお金だけじゃ、離婚にまでは踏み切れないのかなぁ。
たかが紙切れ一枚、されども紙切れ一枚。
それが安心だったり、するんだもんね。
「依頼がなくて困ってるだとよ」と社長はまんざらでもない顔をするけれど、困ったって構いやしないじゃないか。こっちが困ってる時さっと手を引くのがあの人達なのだから。
まったく、どうやっていつもこう泣きつくのがうまいんだろう。
私はここら辺りが面白くなかったから、メインバンクの担当者が変わって挨拶したがっているのを知った時に、社長にその話をしてアポを取ってもらった。それから、この担当者もうちの会社に出入りするようになったのだが、この人はどういう訳か間が悪い。
丁度忙しくて社長の機嫌が悪い時に電話してきたり(たまたまなのだが)、今日も来た時はもう一つの銀行と打ち合わせしていた時だったから、手渡すものだけ玄関先で渡して社長には会えずじまいだった。
その時に
「この前sakeさんから返してもらった受取書の前に、社長に預けているものがあるんですよ。ほら、ここ。先月の話になってしまうんですが。それを頂きたかったんです。」
と言う。
「あぁ、そうですか。。。でも、もう無いかもしれません。。。。」
(どこかにはあるかもしれないが、社長はそれを銀行に戻す紙切れだと言う認識はないだろうからどうなっているか定かではなく、無いに等しいそれを探してもらうのは恐れ多いと言うか、また機嫌が悪くなるから、ゼッタイにしたくないことだった)
「いえいえ!無ければいいんです。ここに署名捺印いただければ。」
「そうですか。これは社判なら何でもいいんですか?」
「いえ、銀行の届け印です。」
「それじゃ、社長でないと押せませんね。」
「そうですか。それでは今度探しておいていただけたらと・・・。」
「あぁ。それなら、今度(アナタが)来た時にその旨社長に直接言って、探してもらうなり、社判を押してもらうなりしてください。・・・と言うのは、その前に私が間に入ってまどろっこしく説明すると、【何だよ、それは!】とか怒り出すんです。その時にコトを説明して一気に片付けた方があの人の神経を逆なでしないで済みますから。。。」
と言うと、彼は状況をすばやく理解し、そうしましょう、とすごすご帰って行った。
不親切なようだが、この2人の間には極力入らないように心がけている。
今まで何回墓穴を掘ったか。
そして、また一度怒られてしまうと、怒られスパイラルがグルグルグルグル回転しだすんだ。
今月の社長の夏休みでやっとあのグルグルが止まったんだから、もう余計な墓穴は掘らないようにしよう。
だいたい、あの天下の代表取締役様が、銀行から預かっている受取書ペラ1枚を20分も30分も探すわけないではないか。最初からそれは帰り際こっそり私に預けてくれればいいってことに早く気づいてほしい。
銀行と言えば、下請けさんであちこちからの借金でかなり首が回らなくなっている人がいるらしい。
前々からお金にうるおっているようには見えなかったが、ここで1年ぶりにまたお会いするようになって、ますます苦しい度合いが増しているように思う。
例えば、支払いを約束の日まで待ってられない。「もう少し先にもらえないか」と言うのが、ここ毎月のように続く。
前の会社でもウワサは聞いていた。
ウワサだからどこまで本当かどうか分からないが、仕事がないとパチンコをしてると聞いた。
奥さんは電話でしかお話したことがないが、可愛らしくて丁寧な方だった。
どうなさっているのだろうか。
それからいつだったか、あの人忘年会の時に勝手に手をつないできたんだよね~~あぁ気持悪~。
私だったら、そんな人とはもう離婚する・・・かも。
でもお金だけじゃ、離婚にまでは踏み切れないのかなぁ。
たかが紙切れ一枚、されども紙切れ一枚。
それが安心だったり、するんだもんね。