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斉藤うめ子ブログ

新しいニセコの街づくりにとりくみます

「相互扶助」とは何か

2019-09-26 00:58:08 | 哲学
秋分の日の23日(月)土香る会の主催で有島記念館周辺のミニツアーで
北海道鉄道旧真狩トンネルまで歩く予定でしたが、大雨のため中止になり、
変わって突如有島記念館で読書会が開かれ久しぶりに参加しました。

読書会のテーマは「ニセコ町まちづくり基本条例と相互扶助」でした。
7人が集まり、私を含め2人以外はみなこのテーマに沿った感想文を書いて
きて、中にはかなりの論文もあり、長編なのでその要約版まで用意しての本格的
なものでした。これまで読書会にも参加せず、有島武郎の「相互扶助」に関する
書籍も読まず、(故山田昭夫先生のゼミの学生で読んだことはあります。)
全くの準備なしで参加した私とは格段の差がありましたが、自由に発言できる
とても良い雰囲気でした。しかしながらこの論文の数々、各々なかなか奥が深くて
私には消化不良でしたが、こんなに真剣にニセコ町を思い、この町の憲法である
「ニセコ町まちづくり基本条例」と「相互扶助」の関係を議論する場はそう
めったにないのではないかと思います。

土香る会の読書会は毎月第4土曜日の午後2時から有島記念館のアートホール
で開かれています。次回は10月26日(土)です。
知を愛する名もなき哲学者たちが自ずと集まりたくなるカフェー、私はこれを
「ソクラテスのカフェー」と呼びたいのですが、プラトンでもアリストテレス
でもなんでも良いのですが、このカフェーで知性をさらに磨きたい方々には
ピッタリの場のように思います。
あなたもぜひ参加してみてはいかがでしょうか。
土香る会の会員の一人としてお勧めします。

ドキュメンタリー映画「東京裁判」を見て

2019-08-13 00:07:23 | 哲学

8月11日(日)午後1時~6時まで休憩を挟んで5時間の上映でした。
札幌の映画館で1回のみの上映、前売り券350枚は完売し会場は観客で
埋まりました。映画館の中はいくらかでも戦争体験のある高齢者がほとんど
という印象がしました。「戦争を知らない世代」の人たちは一体どこに
行ってしまったのか?この人たちこそが見るべきではないのか。

このドキュメンタリー映画は1904年の日露戦争から敗戦までの日本の戦争
の歴史を検証する上で日本人全てに見て欲しい、見るべき映画と思います。
特に日本の未来を担う世代の人たちにこそ見て欲しいと思いました。
もちろんこの映画が歴史の全てではないにしても最も重要な日本の戦争の
史実が語られているからです。「戦争」はどうして起こるのか。

この映画を見て、何故か数年前に見た映画「ハンナ・ア―レント」を思い出し
根本にその思想と繋がっていると感じました。
ハンナ・アーレントはドイツのユダヤ人として生まれ、ハイデッガー、ヤス
パースに師事し、第二次大戦中にナチスから逃れてアメリカに移住した政治
哲学者です。
ハンナ・アーレントの「悪の陳腐さ」とは、第二次大戦中にホロコーストで
数百万人のユダヤ人殺害を指揮したナチス戦犯のアイヒマンの凡庸さに衝撃を
受け、アイヒマンは自ら役職を忠実に果たしたに過ぎない小役人だと表現し、
アイヒマンを「完全な無思想性」によって最大の犯罪者となったと指摘しています。
人間は「思考停止に陥った時、いとも簡単に残虐な行為を行う」ものであると。
世界最大の悪はごく平凡な人間が行う悪であり、そんな人には動機もなく、信念も
邪心も悪魔的な意図もない。人間であることを拒絶した者である。ナチスに加担
したすべての人々は、“日々の生活のために職務を果たしただけであって、自分
には責任がない”、目の前の業務さえ行えばいいという部品と化した人間の姿であり、
他者の立場から物事を考えられない完全な思考停止であり、責任を感じることが
できない人間の尊厳の欠如であると。

ぜひこのドキュメンタリー映画を見て「戦争」とは何か、そしてその原因である
「思考停止」とは何か。実は今も日々日常の中で私たちの周りで起こっていると
いうことに私たちは気付くことができるのか。

「国際女性デー」とは

2019-06-10 23:01:42 | 哲学
毎年3月8日に世界的規模で行われる女性の政治的解放を目ざす統一行動日
のことです。

国際連合が1975年に定めた「国際女性デー」を祝して日本では全国の見識
ある女性議員が一般質問の前に(議長の許可を求めることなく)「国際女性デー」
について発言していますが、トラブルのあった議会はまだ聞いたことがありません。

<1921年6月、第2回国際共産主義女性会議で、ロシア革命(1917)の発端に
なったペトログラード(現、サンクト・ペテルブルグ)の女性デーを記念し、
3月8日に統一することが決定された。> 日本大百科全書

この「国際女性デー」とロシア革命は密接な関係があり、共産党と深い関係に
あります。共産党議員が「国際女性デー」に異議を唱え、まして不適切な
「不規則発言」と「野次」を飛ばすこと自体共産党の議員とはいえないと思い
ます。

「嫌われる勇気」

2019-06-03 01:07:22 | 哲学

本のタイトルに魅かれて、5月半ば新千歳⇔神戸空港間の機内で
読み終えました。機内は本に集中できる絶好の場所でもあります。

この本はアルフレッド・アドラーの思想を一人の青年と哲学者の
対話を通して語っています。
◎「すべての悩みは対人関係の悩みである」
◎「人はいま、この瞬間に幸せになることができる」
やさしい語りで書いていますが、内容はギリシャ哲学の「対話編」
の流れを組む深い思想がもとになっています。

本書の中に次のような件があります。
【哲学とは何か】 
<哲学のもとの意味は、「知」ではなく、「知を愛すること」であり、
知らないことを知ろうとすること、「知」にいたる過程こそが重要」>
であると。