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奄美大島など南西諸島で進む自衛隊基地建設 その3(K)

2018-01-07 | 沖縄
反戦自衛官、小西誠氏の講演

 この視察ツアーでは小西氏の講演もありました。以下は講演の抜粋です。

◆ 小さな島は攻撃を防げない
小さな島は周囲を囲まれれば防ぎようがない。そこで、自衛隊が考えているのは占領された後の島の奪還作戦を考えている。すると、島の人はどうなるのか。沖縄戦のように軍民混在戦になる。
 基地がなければ爆撃されない。実際に戦闘になれば奄美大島全体で地上戦も空襲も行われる。これは防衛白書に出ている。
 現在、海の下では対潜水艦、空もレーダーとジェット機で封鎖されていて、緊急時にはスクランブルがかけられるようになっている。島は守られている。

◆ 原因はアメリカの戦略変更
 アメリカはソ連が崩壊し脅威がなくなった時、「平和の配当」として軍事費を25%削減した。日本も北海道の戦車を600両から300両に減らした。
 1997年、日米ガイドラインで脅威をソ連から中国に切り替えた。その分、南西諸島の島々に島嶼防衛と称してミサイルやオスプレイを配備することにし、日本は軍事費を増加してきた。

◆ 中国は脅威か 領空侵犯はロシア13回、中国1回。領海侵犯も月3日程度で同じペース。
 今、中国は経済でも軍事費でも、日本よりも大きくなっている。しかし、お金をかけて警戒しても中国は来ない。領空侵犯と言うがソ連が崩壊してからロシアは13回なのに対し中国は1回台湾も1回しか領空侵犯はしていない(防衛省「平成28年度の緊急発進実施状況について」)。

◆ アメリカ・日本が勝手に決めた防空識別圏で中国封じ込め
 防空識別圏というのは緊急発進するよと言うものだが、領空よりもはるかに遠い地域に勝手にアメリカが設置したもので国際法の規定にはない。日本も1959年代に勝手に決めている。中国は自由に航行すると言っている。中国が国力をつけてきても米国はこれは許さない。勝手に決めるのではなく外交で話し合うべき問題だ。

◆ 自衛隊は住民を守るのか
 島嶼防衛戦は自衛隊と住民の混在戦つまり軍民混在戦になる。法律では自衛隊は戦闘に余裕がある時に住民の避難を支援するとなっていて戦闘優先になっている。住民を守るのは自治体になるが自治体は戦闘から住民を守れるのか。

◆ 日本はアメリカ言いなりで高い装備を買う
 今はヘリコプターの中心はCH 47と後継機種に変更している。このヘリコプターの方が兵隊もオスプレイが24名なのに対し50名と多く乗せられる。最大積載量もヘリコプターの方が大きい。日本はアメリカ言いなりで800億円もするイージスアショアを買うことにしている。

◆ 南西諸島が戦争に巻き込まれないための小西氏の提案
 1922年のワシントン会議の四カ国条約で、アメリカ・イギリス・フランス・日本が太平洋域の領土・権益保全と、島嶼部の非軍事基地化を約束した。実際にサイパン、グアム、テニアン、琉球、奄美、台湾などが非軍事基地化(=無防備地域)となった。無防備地域への攻撃は国際法で禁止されている。ところが1930年日本がワシントン体制から離脱し1944年には日本軍が沖縄に基地を建設した。そして奄美大島や沖縄が戦場となった。
 改めて無防備地域宣言をすることが再び沖縄や奄美大島を戦争に巻き込まないことになると思う。

◇【視察参加のメンバーからの情報提供】
 中国公船の領海侵入は左表のように、過去2年間で規則的に月2~3回となっている。
*月3回計10程度の意味(『高野孟のTHE JOURNAL2017.4.4より』)
 高野孟氏が知り合いの中国人ジャーナリストに中国側から事情を探って貰うと次の事実がわかってきた。
 中国の海警局には、北海と東海と南海の3分局があり、尖閣は東海分局の担当。その下に上海、浙江、福建の3総隊があってそのそれぞれが月に1回、出て行くことになっているから「月3回」となる。1回当たりは3隻が標準ユニットで、たまに都合で2隻になったり4隻になったりもする。目的は、中国が尖閣の領有権を主張していることを継続的にデモンストレーションすることなので、これで十分だ。余計なトラブルにならないよう、1回につき日本の主張する領海内に入るのは1時間半と決めていて、しかも15年冬以降は事前に日本の海保に「明日行きますから」と事前通告するようにしている。
──それは、中国側が一方的にルール化しているのか?
「その通りで、海保も暗黙の内にそれを受け入れている」


*接続水域とは、国家が通関、財政、出入国管理、衛生に関する法令の違反について防止や処罰を目的とした措置をとることができる水域。ただし国家の安全に対する侵害行為に対する規制は接続水域制度の対象には含まれていない。沿岸から24カイリの範囲で沿岸国が設定できる。領海は12カイリ。
**2016年8月1日を以て禁漁期が終わったので、翌2日に中国漁船が一斉に東海に出漁し、その一部が暫定措置水域を超えて尖閣領域に進入する可能性があったので、海警船70隻が出動し、そのうち15隻が3日から9日にかけて尖閣海域に入って漁船を管理・指導した(つまり暫定措置水域へと押し戻した)。大半の漁船に指導が行き渡ったので、10日に海警船は現場から引き揚げた。



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