2012年8月28日(火)(4歳3か月)
幼児が言葉を話し始める時期というものは個人によって
異なる。
早い子もいれば遅い子もいる。
それでも小学校に上がる頃にはほとんど差は見られない。
話し始めるのが遅くてもすぐに追いついてしまうものなのだ。
このことはすべての、人間という生物に言葉を話す能力が
備わっているからだ。
ただ、話し始める時期については、全体的に見て男の子
よりも女の子の方が早いようである。
春奈はかなり早い方だった。
これは、8歳も離れたお姉ちゃんがふたりいること、春奈が
日常的にたくさんの人に会ってきたことが影響しているように
思える。
なぜなら、幼児が言葉を獲得するのは、周囲の人が口にして
いる言葉をマネっこするからだ。
だから、春奈も、大人が使うような言葉をよく口にしていたし、
お姉ちゃんたちが使うギャル語も口にすることが多かった。
だから、ゆうきやりえにとっては、時々、
「なんで、そないにえらそうやねん」
と、なることも多々ある。
そんな春奈が今日もゆうき相手にいろいろと話しかけている。
もっとも、その内容ははっきり言ってとりとめのないものだ。
ゆうきも次第に聞き流すようになってくる。
すると、春奈がゆうきに、
「おい、聞いてるか?」
と、つっこんだ。
その言い方、ゆうきにそっくりだ。
結局、春奈に言った言葉はそのまま本人に返ってくることになる。