さっちゃん 空を飛ぶ

認知症で要介護5の妻との楽しい日常を 日記に書き留めたいと思います

僕がさっちゃんに軽~くキスすると、さっちゃんもちょこんと唇を尖がらせます

2020-07-12 23:54:50 | 生活の一場面
今日はさっちゃんとハイキングして来ました。
標高の低い丘ですから、気温は下界とさほど変わらず、梅雨の最中ですから蒸し蒸ししていました。
そのご報告は明日以降になります。
たった2時間半の山行でしたけれど、高温多湿はこたえますね。
さっちゃんは夕食後すぐに寝てしまったまま一度も目を覚ましません。
僕も今日ばかりは早く寝たい心境です。
というわけで、本日のブログは小ネタをひとつ。

さっちゃんと僕には子供もいませんし、二人だけでずうっと暮らして来ました。
気を遣う同居する家族もいませんでした。
ですから、さっちゃんと僕の人間関係は付き合い始めたころから、長い同棲生活を経て結婚生活に至る現在まで基本的にはまったく変わっていないのです。
子供が出来ると、父親だとか母親などの役割が生じますが、二人にはそれがありません。
付き合い始めたころからまったく変わらないのです。

夫婦としての愛情表現も変わりはありません。
もちろん、外見的表面的具体的にはどんどん変化して来ました。
年齢に伴う体力の低下、相手の好みや嗜好の情報の増加、情熱的恋愛から相手を尊重し理解しようとする愛情への昇華、それらが影響しているのでしょう。
さっちゃんが認知症と診断される何年か前からは、認知症の影響が大きく現れて来ました。
行なわれなくなった愛情表現、反応が起きなくなった愛情表現、さっちゃんからの愛情表現は激減しました。
でも、基本的な愛情表現のは同様なんですね。

今でも残っている具体的行動としての愛情表現はハグとキスのふたつでしょう。
ハグに関しては、このブログでも時々書くことがありますよね。
今日はもうひとつのキスに関してです。

認知症になってからは、当然のことながら濃厚なキスはなくなりました。
さっちゃんからのキスもなくなりました。
だからと言って、さっちゃんが僕たち夫婦の愛情表現のひとつだったキスを完全に忘れているわけではないようなんです。
(いつかは完全に忘れてしまう日が来るのでしょうが)

さっちゃんを僕が度々布団に寝かしつける場面がよくありますよね。
横にならせて、タオルケット(寒くなると布団まで)を掛けてあげるわけです。
それが夜で、さっちゃんにこのまま寝て欲しい時などに、「お休み」と言って、軽くチュッとキスすることがあるんです。
そんな際にさっちゃんが、3回に1度か4回に1度かなんですが、瞬間的に唇を尖がらせて対応してくれるんです。

僕の名前も含めて、僕に関する情報のほとんど全てを忘れてしまっているさっちゃん。
でも、夫婦という言葉は忘れているでしょうけれど、僕が特別な人であるという感覚だけはまだしっかりと残っているようで本当に嬉しいですね。
次第にその「特別」感も消え去っていくのでしょうけれど、常にそばにいる「誰かさん」でいたいですね。
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