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どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設20年目を疾走中。

<おれ>という獣への鎮魂歌 (はじめに)

2006-02-08 10:45:50 | 連載小説

 昭和という時代を懐かしむつもりは無い。
 ただ、昭和を生きてきて、その影響を受けたことは事実である。
 わたしは、齢をかさねるごとに、自分が通り抜けてきた時代を振り返ってみる。
 青春時代、壮年時代、どの一日を切り取ってみても、いま老年期を生きる自分と
どこかでつながっている。
 その意味で、自分という存在は、時代の鏡である。
 だが、時代は自分だけの鏡では無い。
 <おれ>という主人公を鏡にして、昭和を通り過ぎた多くの市井の人びとをも描きたい。そこに<時代>さえあれば、虚実織り交ぜた人間模様が主人公の周りで動き出すはずだ。
 懐かしむだけの時代は、古くなるが、そこに生きる人びとのいる時代は、いつまでも新しい。
 そのことを信じて、この物語を始めたい。

   (続く)

 

 


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1 コメント

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期待しています (旭丘光志)
2006-02-08 19:24:05


窪庭さんの生きた時代を視野に入れた、あるいは時代を土台に据えた大きな物語が、いよいよスタートですね。



楽しみにしています。

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