どうぶつ番外物語

手垢のつかないコトバと切り口で展開する短編小説、ポエム、コラム等を中心にブログ開設19年目を疾走中。

ポエム239 『陽気な気性のマルバルコウ』

2019-07-15 10:33:56 | ポエム

 

     マルバルコウ

    (城跡ほっつき歩記)より

 

どうなってるんだ この天気

来る日も来る日も 雨模様

半袖シャツじゃ 肌寒い

 

農家の嘆きは 野菜の生育不足

きゅうりは 背筋を伸ばせず

トマトも茄子も ひねこびたまま

 

早くお天道さまの 顔が見たい

早くお天道さまに 逢わせてやりたい

冷夏のままでは 菌と害虫が跋扈する

 

救世主はいないか 希望の星は?

おっと手を挙げたのは マルバルコウ

あんた非常事態に 何かできるの?

 

いやあ そういわれると面目ない

外来の身分なれど さつまいもが渋るから

シャレのつもりで 手を挙げたまで

 

飢饉のときの救世主 甘藷に似てはいるが

非常事態に 紛らわしい冗句はご法度だ

そもそもマルバルコウじゃ 正体不明

 

ヘイ相済みません 姓はマルバ名はルコウ

漢字で書くと 丸葉縷紅と申しやす

江戸時代に輸入された 一年草でございます

 

なになに熱帯アメリカ産だとな 観賞用か

朱色の花は なかなか可愛いね

だけど さつまいもの代わりにはなれないな

 

しょうがない しばらく様子を見よう

7月後半に カーッと太陽が出れば

米だけは なんとかなるだろう

 

辛抱しんぼう 東北のヤマセが心配だが

マルバルコウくんと一緒で 気楽にいこう

陽気な気性が 陽気な気象を呼び込むはずだ

 

 

 

 


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