磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

資料集 原爆投下と京都の文化財

2007年06月17日 | 読書日記など
『資料集 原爆投下と京都の文化財』
    立命館大学産業社会部鈴木良ゼミナール編/
      図書出版 文理閣1988年

京都は「文化と宗教の中心地」だったから、原爆投下されなかったという……。それは古い、このような本です。でも、これは間違いだとボクも思います。

京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実




京都は「文化と宗教の中心地」だったという意見の人たちの本。

これは誰も一緒だけど、はじめは京都は有力な目標地(AA目標京都)だった。下「」引用。

「五月一○・一一日、目標地選定委員会会議要約
 -略-
1. 京都 都市工業地域で、人口は百万人。日本の古都で、戦災を受けた他の地域から住民と工業が移転してきている。
 心理的観点からは、京都が日本の知的中心地であり、住民はこうした兵器の意義を理解するという利点がある。」

盆地だし、人口も多いし、軍需工場もある。
あのノーベル賞をとられた方の工場も当時は軍需工場でした。

かなり原爆を投下して、効果があったと思えます。
その効果が何かということは、大量虐殺ができたということですね。
……そもそも、文化的な人たちがいうことではないでしょう……。

はじめは皇居も原爆の目標地としての可能性はあった。上の資料と同。下「」引用。

「6. 皇居爆撃の可能性も話し合われた。それは勧告しないことにしたが、この爆撃に関する決定は軍事政策当局から来るべきことで一致。またこの目標に対する原爆の有効性を判断するため情報を得るべきであると一致した。」

スチムソンの言葉が大きかったというのが、この説の人たちはとりますね。下「」引用。

「資料5-(2)
 六月一二日、京都の目標をめぐるスチムソンとグローブスの意見
 -略-京都は日本の古代の首都であり、歴史的な由緒のある都市であり、かつ日本人にとっては偉大な宗教的な重要性を持った故郷である、というのが陸軍長官の反対の理由だった。彼はかつてフィリピン総督時代に京都を訪れたことがあり、その古代文化にひどく打たれたことがあったのである。」

また、他の資料にも。

しかし、この説をこの本の著者たちも100%は認めていない。下「」引用。

「この説は説くにオーティース・ケーリ氏の著作にみられる考え方であるが、彼は著作のかなでスチムソンが戦前、日本に来て京都を訪れて感銘を受けたことや、従弟の影響などを京都案反対の要因としている。しかし、これらははっきりとした確証がなく、ケーリ氏の推論にすぎないと考えれる。」

京都新聞はこの説を裏付けるための記事を。下「」引用。

「入洛のデッカー少将(第六軍参謀長)
-略-爆撃しなかったのは、「京都は神社、仏閣を始め学校、図書館、美術館、博物館その他の名所史蹟が多く、この中に我々の文化的にも相当の参考資料になるものもある。つまり京都の施設は殆どが非戦闘的なもので取り立てて爆撃目標にするものはなかつたと自分は思ふ。」(『京都新聞』一九四五年九月二七日付)」
「ようこそ“我らの恩人”「好きな古美術-日本との橋渡し」ワーナー博士入洛」『京都新聞』一九四六年五月二六日付)」



文化財はたしかにあるけれど、そんなことを考えて戦争をする人たちはいないとまず思えます。

--長崎や広島には文化財はなかったとはいえません。

人の命よりも文化が重いなどという非人道的な価値観をまきちらす、非文化的なことをされたマスコミに怒りさえ感じます。

ボクは中学の修学旅行に行き、原爆をライフワークにしようと考えました。
その時の作文もアップしています。

「京都は文化があるから原爆投下されなかった」
これは京都の学校の先生も同じことを言いました。
広島に行き、京都生まれのボクは恥としか思えませんでした。
京都の文化がアホの文化としか思えませんでした。

京都の庶民の文化はアホちゃいますよ!
教師やマスコミの文化がアホなんです。
修学旅行での広島の人たちは素敵な人たちでした。
ボクはますます京都の先生は情ないと思いました。
ボクがライフワークにしようと思ったのは、このことも一つです。

もう一つの説は、もう戦争は勝つに決っているから、皇室関係の建物の多い京都などは戦後の交渉がしやすいように考えて攻撃しなかったという説ですね。

……これも大きなポイントではないでしょう。皇居も攻撃されていたし、京都にも一部攻撃はありました。

アメリカのドイツ空襲を読んでいて、なぜドイツを破壊しつくさねばならなかったという文章を読んでボクは、これが答えと思いました。

京都は「権力者の貸座敷」と司馬遼太郎はいいます。
--権力者に刃向わないない地方です。

広島、小倉、長崎など残っていたところは、気骨がある所ですね……。
つぶしておけば、もし、その気骨のある人たちでも、コントロールしやすいというわけですね。

--イタリアとちがって、文化のホロコーストをドイツでは狙ったようです。

しかし、気骨のあるドイツ人には、これも通じなかったようです。
……そして我が国でも、広島や長崎の方は、見事に原爆の非人道的なことを世界に知らせてくださっているとボクは思います。

イタリアには徹底した空爆をする必要もなかった……。
京都人と同様の気質ですから……。

もちろん、京都やイタリア人の気質が悪いとはいえないとも思います。
文化を育てるのが上手なのは、京都やイタリア人でしょう……。

そんな感想をボクは持ちました……。
間違っているかもしれませんが……。

権力者の貸座敷のままでは、民主主義から遠いようにも思いました。

ドイツはポーランドのワルシャワで、文化のホロコーストを狙いました。

しかし、そもそも文化の本質というのは物質ではない。

見事によみがえらされました。

よみがえる街 未来への懸け橋

これが、ほんまもんの文化や!

人の生命より重要な文化財なんて、偽せ文化や!

偽せ文化人や!


あー、すっきりした……。






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京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実

2007年06月17日 | 読書日記など
『京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実』
      吉田守男・著/角川書店h7年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「第2次大戦下、100万都市京都が「無傷」でのこった。
それは文化財のゆたかな古都だから(ウォーナー伝説)ではない。
それどころか--投下第1目標は京都だった。
〈原爆〉と〈ジェノサイト原爆〉の間で翻弄された京都。
「平穏な京都」の裏でたたかわされたアメリカの軍・政府内の葛藤を活写する。」



1988年12月5日『朝日新聞(大阪版)』では、第二次大戦中、京都やドイツのハイデルベルグが攻撃されなかったのは、文化都市の価値が認められたからだ、と書かれていたという。

文化は人の生命よりも重いという異常な思想……。

そんな文化を主張している人たちは、文化の意味を理解されているのでしょうか?

文化は命よりも重要。
--これが常識だったころがある……。

京都で生れたボクは先生からも、この話をきいた。

このことに、著者は挑む。下「」引用。

「三年前、筆者は幸いにも、この“常識”を再検討する機会がめぐまれた。アメリカから新史料を入手できたとことによって、この問題を解明することが可能になったのである。
 再検討の結果、アメリカ軍がその文化財を守るために古都の爆撃を回避したという、〈文化財保護説〉はまったくの誤りであることを判明した。」


六つの〈ウォーナー〉の記念碑があるという。

しかし、ウォーナーさんは、京都を原爆から救ったことはないと否定していたという。
癇癪までおこして、否定したというのに、強引にすすめた人たち。

〈ウォーナー伝説〉が生まれたはの、ウォーナーが属していたロバーツ委員会からだとう。下「」引用。

「『報告書』が全体にわたって詳しく紹介している活動内容は、おもに次の四つに分類できる。
 a 米軍兵士の名簿から文化財を扱うことができる人物を選び出したこと。
 b 地図つきの各国別文化財リストを作成して陸軍省に提出したこと。
 c 政策文書「略奪文化財返還の原則」を、国務省・陸軍省など政府機関と協議して作成した
 d 終戦直後に専門家をヨーロッパとアジアに派遣して、各地の文化財を視察したこと。」

〈ウォーナー・リスト〉の正体
文化施設・文化財を*印三つから、*印なしまでに等級付け。
京都・奈良だけに限ったわけではないという。

ウォーナーは晩年、中国から石仏を盗んだという非難をうける。

戦争が続いていたら、目標は京都だった可能性が高いという。
それだからこそ、空襲がひかえられていたという。
戦争が続いていたら、京都が目標だった……。

今までの常識と違って、もう一発原爆はあったという。覚書も残っているという。



それも終戦の日にそれを搭載していたという。下「」引用。

「そして、この三発目の原子爆弾をB29に積み込んだと証言している人物がいる。それは、長崎への原爆投下作戦において科学観測機(グレイト・アーティスト号)に搭乗していたレーダー係のビル・バーニーである。バーニーは次のように証言している。

 三番目を落とすとしたら、おれたちがやることになっていた。おれたちの組がね。おれの知るかぎり、爆弾は四つしか完成してなかった。ひとつは合衆国にあって、三番目のは終戦の日におれたちの機につまれたのさ。                  〔『よい戦争』〕」

もちろん、実験用の原爆の存在は著者も知っておられます。

大量虐殺兵器として使用するのが四つという意味ですね。


↓ この本の文庫本。

日本の古都はなぜ空襲を免れたか




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index 京都と原爆

2007年06月17日 | TOP【もくじ】
index 京都と原爆



【平和運動】

ナガサキに翔ぶ  ふりそで少女像をつくった中学生

「核なき社会」願い続け 「ふりそでの少女像」モデルの母死去

占領下の「原爆展」 平和を追い求めた青春

【学習】

オマールさんを訪ねる旅 広島にいたマレーシアの王子様

【被爆された方たち】

原爆被爆体験記

【援護法】

被爆者援護法-核時代の人権宣言-

【京都と原爆】

かくされた空襲と原爆

日本の古都はなぜ空襲を免れたか

京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実

資料集 原爆投下と京都の文化財

敗戦の逆説-戦後日本はどうつくられたか-

【学術】

医師たちのヒロシマ 原爆災害の記録

【物理学】

3 戦争と科学

■平和・訪問者■

広島市平和祈念式典に参加して-平和への想い新たに-

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■核シェルター■

核兵器廃絶と国家機密法

【仏教】

京都人だけが知っている

【YouTube】







■京都外国語大学■










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069 二度のレイプ…

2007年06月17日 | ライト小説
総理がコジキでコジキがソーリィー

三章、ノー・ファイトバック




069 二度のレイプ…


「本当の民主主義に人権を軽視することなんてないと思うけどなあー」
「なにか、対策なんかないの?」

「対策はまず、友達をつくることだよ。味方をつくること、それは誰だっていい。食堂のおばさんだっていいし、守衛のおじさんでもいいんだよ」

「友達……」
「そう大人にだって、いい人はいるさ」

「そうだろう。まず、きみが“いじめ”られていることを、まわりの人に伝えることが、きみの行わなければならないことだろうなあー。たいていは、“いじめ”られても、メンツがあるから、“いじめ”られていても、そんなことはないというんだろう」

「うん」

「そうだろうなあー。誰でも、そういうもんだよー。だからこそ、しつこく“いじめ”が繰り返されるというわけだ」

「ふーん、そういうもんなんだあー。でも、“いじめ”られる方も悪いんでしょう」

「あはは……、それこそが、日本的というものだなあー。まあ、外国でもそう思う人もいるらしいが、専門家でそんなことをいう人は外国では少ないことだろう」

「ぼく、悪くないの?」

「悪くないとも、“いじめ”るやつが悪いんだよ。いじめっ子の家庭環境がいくら悪くっても、“いじめ”る奴が悪いんだよ。それをたとえたら、泥棒に入ったやつが悪いんであって、鍵をもっと上等なのをつけておけ! という警察がいたら、みんな、ふざけるな! というと思う」

アメリカの“いじめ対策”の本でレイプのことが書かれていた。

レイプされる方が悪いなんていうのは、二度のレイプであると書かれてあった。

差別もいいところなのである。

被害者をさらに苦しめるひどい言葉なのである。
--それと同様に、“いじめ”はいじめられる方が悪いなんていうことは、とんでもないことなのである。

少年は誰もいないマンションの一室に帰った。父は離婚しているのだから、来ることはない。でも、離婚するときには、ちょくちょく来ると約束していた。たとえ離婚しても、おまえの父親には変わりはないのだからといっていたが、来ることはない。

母は病院の婦長をしているから、帰ってくるのもまちまちである。今日も勤務時間は終わっているだろうけど、それだからといって帰れるほど甘い仕事ではないのである。








閑話休題

戦うことがいいことか?

戦うことが目的になっているとしたら、

それはバカげたことではないでしょうか?

いじめや、その他のことでも、

戦うといって、非常識なことをしている

団体やグループがあります。

戦うことを一般の日本人は好まないようです。

でも、頭に血がのぼりつめた人たちは、

まわりのことなど理解されていないようです。

戦うというよりも、仲間や理解者を一人でも

多くつくることが大切だとボクは思います。













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