『文春文庫ビジュアル版 夏目漱石 青春の旅』
半藤一利(編)/文藝春秋1994年
写真がいっぱいの文庫本です。このシリーズには『目でみる「アンネの日記」』もあります。
表紙の写真について。下「」引用。
「〈カバー表・写真〉協力・道後温泉本館
明治28年10月、松山にて撮影された漱石の見合い写真。同月上旬、中根鏡子の見合い写真(33ページ参照)が送られて来て心の動いた漱石は、さっそく写真館に出かけ、この写真を撮らせた。種痘痕は修正されている。」
吾輩はお見合い写真撮影中であるといったところでしょうか……。
ううーん、まさに、漱石の青春ですね。
漱石と子規の関係を高浜虚子が書き残しています。下「」引用。
「高浜虚子が、その想い出の記『漱石氏と私』(大正七年、アルス刊)で、漱石の談話を伝えている。
「子規といふ男は何でも自分が先生のやうな積りで居る男であつた。俳句を見せると直(す)ぐ直したり圏点(けんてん)をつけたりする。……それで今度は英文で綴つて見せたところが、奴(やつこ)さんこれだけは仕方がないものだから、Very Goodと書いて返した。」
このへそ曲がりなところが、実に楽しい。
明治男というのは、こんなことでも多くは根にもたず、笑っていたのだろうと思う。
楽しい話だなあーと思う。
漱石記念館というのもあるそうな。下「」引用。
「五番目に内坪井町の家に移っている。鏡子夫人の『漱石の思い出』によっても「この家は熊本にいた間、私どもが住んだ家の中でいちばんいい家」であった。一部が原型のまま残っており、いま「漱石旧居趾」の名で熊本市が漱石記念館として保存している。」
お孫さんも文章と写真などで登場。下「」引用。
「夏目姓を名乗る文豪の男孫は
夏目房之介氏、一人しかいない。
文豪の孫であることが
抑圧となった青春を脱け出した筆者がいま、
祖父と自らの青春を振り返りつつ、
初めて筆を執る。」
「吾輩は孫である」と、気位たかい江戸っ子では生きておられなかったようです。
ボクと同時代の人だなあと思いました。
漱石公園には銅像があるという。
『吾輩は猫である』の三題噺(トリロジー) 文と絵 半藤一利(歴史探偵)
書き出しからして楽しい。下「」引用。
「漱石先生の処女作は、ギャグと冗句が弾丸のごとく飛び交って談論風発……言葉遊びの坩堝(るつぼ)だ。歴史探偵が、三つのレンズを引き替え掛け替え、この壮麗な織物(テクスト)を綿密に観察、かつその上を、軽やかに徘徊する。」
目次
半藤一利(編)/文藝春秋1994年
写真がいっぱいの文庫本です。このシリーズには『目でみる「アンネの日記」』もあります。
表紙の写真について。下「」引用。
「〈カバー表・写真〉協力・道後温泉本館
明治28年10月、松山にて撮影された漱石の見合い写真。同月上旬、中根鏡子の見合い写真(33ページ参照)が送られて来て心の動いた漱石は、さっそく写真館に出かけ、この写真を撮らせた。種痘痕は修正されている。」
吾輩はお見合い写真撮影中であるといったところでしょうか……。
ううーん、まさに、漱石の青春ですね。
漱石と子規の関係を高浜虚子が書き残しています。下「」引用。
「高浜虚子が、その想い出の記『漱石氏と私』(大正七年、アルス刊)で、漱石の談話を伝えている。
「子規といふ男は何でも自分が先生のやうな積りで居る男であつた。俳句を見せると直(す)ぐ直したり圏点(けんてん)をつけたりする。……それで今度は英文で綴つて見せたところが、奴(やつこ)さんこれだけは仕方がないものだから、Very Goodと書いて返した。」
このへそ曲がりなところが、実に楽しい。
明治男というのは、こんなことでも多くは根にもたず、笑っていたのだろうと思う。
楽しい話だなあーと思う。
漱石記念館というのもあるそうな。下「」引用。
「五番目に内坪井町の家に移っている。鏡子夫人の『漱石の思い出』によっても「この家は熊本にいた間、私どもが住んだ家の中でいちばんいい家」であった。一部が原型のまま残っており、いま「漱石旧居趾」の名で熊本市が漱石記念館として保存している。」
お孫さんも文章と写真などで登場。下「」引用。
「夏目姓を名乗る文豪の男孫は
夏目房之介氏、一人しかいない。
文豪の孫であることが
抑圧となった青春を脱け出した筆者がいま、
祖父と自らの青春を振り返りつつ、
初めて筆を執る。」
「吾輩は孫である」と、気位たかい江戸っ子では生きておられなかったようです。
ボクと同時代の人だなあと思いました。
漱石公園には銅像があるという。
『吾輩は猫である』の三題噺(トリロジー) 文と絵 半藤一利(歴史探偵)
書き出しからして楽しい。下「」引用。
「漱石先生の処女作は、ギャグと冗句が弾丸のごとく飛び交って談論風発……言葉遊びの坩堝(るつぼ)だ。歴史探偵が、三つのレンズを引き替え掛け替え、この壮麗な織物(テクスト)を綿密に観察、かつその上を、軽やかに徘徊する。」
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