磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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朝日文庫 日本の古都はなぜ空襲を免れたか

2007年11月24日 | 読書日記など
『朝日文庫 日本の古都はなぜ空襲を免れたか』
   吉田守男・著/朝日新聞社2002年

この本は以前紹介した本の文庫化だそうです。下「」引用。

「単行本は一九九五年七月、角川書店より刊行された。(原題『京都に原爆を投下せよ』)」
かなり加筆されていると思います。



この本は京都を中心に考えているが、京都はもちろん中心ではなかった。

原爆や空襲にたいするものの中心はアメリカ。
この視点を間違っては大きな間違いを犯すかもしれない……。

アメリカは毒ガス兵器でさえも、非人道的といわれたのに、それ以上の原爆を正当化した。
--それが『原爆神話』というのものですね。

index

その神話をつくりあげた人物は、おそらくスティムソン長官。
--そのスティムソン長官が京都をリストから除いたという……。

そして、志賀直哉は戦前から知りあいだったウォーナーのおかげだと勘違いする……。

文化は人の命よりも重い?
--そんな馬鹿げたことを考える文化があったとは……。
差別することが文化?……。
そんな愚かな文化論を展開していったことが実に残酷であり、ひどいことだった思う……。
それは、『原爆神話』を支えるものにもなっていたと思える。

--まさに、文は人なり!?


ボクがちょっと気にしている高射砲について書かれてありました。下「」引用。

「日本の高射砲は四ないし五か所の地域に集中して配備されていた。東京に司令部をおく高射第一師団(約六○○門の高射砲で首都周辺を防衛する)、名古屋に司令部をおく高射第二師団(約一五○門、名古屋地方の防衛)、大阪に司令部をおく高射第三師団(約二○○門、阪神地方の防衛)、そして小倉(現・北九州市の一部)に司令部をおく高射第四師団(約三○○門、北九州と中国地方の防衛)の四か所であり、高射第四師団の一部は第二総軍司令部の所在地である広島にも配置されていた。
 高射砲の飛距離は七センチ砲は九、一○○メートル、一五センチ砲で二万メートルであったが、実際に用いられたものの大半は一万メートル程度の飛距離であり、しかも実用威力園は最大射高の八○パーセントであったから、一万メートルの上空を飛来するB29に対しては無力に等しかった。」

陸軍の高射砲のことは書かれてありますが、海軍の新兵器の高射砲(高角砲)のことは書かれてありませんでした。

↓の本には書かれてありました。

原爆搭載機「射程内ニ在リ」


このウォーナー恩人説により、米軍や米国を美化できたという。下「」引用。

「その話がウォーナーの“美談」として『朝日新聞」紙上で紹介されるや、前述したごとく、それはウォーナー本人をたたえるだけでなく、たちまち米軍美化・米国美化の論調を伴って日本人の間に流布しはじめした。米国を美化する点にこそCIEの真のねらいがあったのである。ウォーナーの“美談”に対する矢代幸雄の『朝日新聞』紙上での談話、田中一松の反応、新聞の対応など、すべてがアメリカ軍をほめ、アメリカという国(の政策)をたたえていたことは、このねらいが功を奏したことを示している。」

それ以上に本流の『原爆神話』を強固にしたのが問題ですね。

核拡散の水平、南北を許してしまった……。

ソ連も中国も、パキスタンもアメリカのように、偽りの神をもってしまった……。

『原爆神話』はさらに続いている……。

『原爆』は悪魔であるなら、まだ理解できるが……。
--でも、そんな表現は科学的ではないと思います。

ただの大量殺戮兵器ですね。

平和を守る道具にならないものですね。


京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実







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