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京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実

2007年06月17日 | 読書日記など
『京都に原爆を投下せよ ウォーナー伝説の真実』
      吉田守男・著/角川書店h7年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「第2次大戦下、100万都市京都が「無傷」でのこった。
それは文化財のゆたかな古都だから(ウォーナー伝説)ではない。
それどころか--投下第1目標は京都だった。
〈原爆〉と〈ジェノサイト原爆〉の間で翻弄された京都。
「平穏な京都」の裏でたたかわされたアメリカの軍・政府内の葛藤を活写する。」



1988年12月5日『朝日新聞(大阪版)』では、第二次大戦中、京都やドイツのハイデルベルグが攻撃されなかったのは、文化都市の価値が認められたからだ、と書かれていたという。

文化は人の生命よりも重いという異常な思想……。

そんな文化を主張している人たちは、文化の意味を理解されているのでしょうか?

文化は命よりも重要。
--これが常識だったころがある……。

京都で生れたボクは先生からも、この話をきいた。

このことに、著者は挑む。下「」引用。

「三年前、筆者は幸いにも、この“常識”を再検討する機会がめぐまれた。アメリカから新史料を入手できたとことによって、この問題を解明することが可能になったのである。
 再検討の結果、アメリカ軍がその文化財を守るために古都の爆撃を回避したという、〈文化財保護説〉はまったくの誤りであることを判明した。」


六つの〈ウォーナー〉の記念碑があるという。

しかし、ウォーナーさんは、京都を原爆から救ったことはないと否定していたという。
癇癪までおこして、否定したというのに、強引にすすめた人たち。

〈ウォーナー伝説〉が生まれたはの、ウォーナーが属していたロバーツ委員会からだとう。下「」引用。

「『報告書』が全体にわたって詳しく紹介している活動内容は、おもに次の四つに分類できる。
 a 米軍兵士の名簿から文化財を扱うことができる人物を選び出したこと。
 b 地図つきの各国別文化財リストを作成して陸軍省に提出したこと。
 c 政策文書「略奪文化財返還の原則」を、国務省・陸軍省など政府機関と協議して作成した
 d 終戦直後に専門家をヨーロッパとアジアに派遣して、各地の文化財を視察したこと。」

〈ウォーナー・リスト〉の正体
文化施設・文化財を*印三つから、*印なしまでに等級付け。
京都・奈良だけに限ったわけではないという。

ウォーナーは晩年、中国から石仏を盗んだという非難をうける。

戦争が続いていたら、目標は京都だった可能性が高いという。
それだからこそ、空襲がひかえられていたという。
戦争が続いていたら、京都が目標だった……。

今までの常識と違って、もう一発原爆はあったという。覚書も残っているという。



それも終戦の日にそれを搭載していたという。下「」引用。

「そして、この三発目の原子爆弾をB29に積み込んだと証言している人物がいる。それは、長崎への原爆投下作戦において科学観測機(グレイト・アーティスト号)に搭乗していたレーダー係のビル・バーニーである。バーニーは次のように証言している。

 三番目を落とすとしたら、おれたちがやることになっていた。おれたちの組がね。おれの知るかぎり、爆弾は四つしか完成してなかった。ひとつは合衆国にあって、三番目のは終戦の日におれたちの機につまれたのさ。                  〔『よい戦争』〕」

もちろん、実験用の原爆の存在は著者も知っておられます。

大量虐殺兵器として使用するのが四つという意味ですね。


↓ この本の文庫本。

日本の古都はなぜ空襲を免れたか




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