総理がコジキでコジキがソーリィー 001 父は日本国総理大臣 空港の衛生的な公衆トイレで着替えをしている。 別に犯罪をするわけではない。 いつもの服装にもどっているのである。 ロングのヘアーピースを、はぎとると、気持ちがスーッとする。解放感とはまさにこういうことを言うのだろうと思う。 「それにお嬢様の服装って、どうして、こう息苦しいものなのかしら……」 大きくため息をつく。 お嬢様から、いつもの沙也加にもどる。 ため息をつきつつ、少しでも早く着替えたいから、トイレで着替えをしてしまったのである。 お嬢様なんてものは、吸血鬼のような気分になるらしく、それでいて不自由で窮屈で自由を奪われた監禁生活のようなものであると感じる。 沙也加は自由が好きである。自由でないと何もかもが、偽物のような気がしてならないのである。 そう、偽せの感情なんて、よく持つものである。その偽せの感情をほんものと思いこんでしまって、本物を偽せものと思ってしまっている人たちもいる。 本物と偽せものの違いを見分けるコツが一つだけある。それは自由という観点である。この観点を失ってしまうと、すべてが偽物のように思ってしまうのが、沙也加である。 それにしても、窮屈だったなあー。 中田沙也加の父は総理大臣である。総理大臣といっても、カラオケつきの飲み屋やキャバレーなどで言われるニックネームではないのである。 実際に中田沙也加の父は日本国の総理大臣であり、自由愛国党の総裁でもある。 自由愛国党なんて言われていても、沙也加によれば、自由がなく愛国心すら失われているマルクス主義の輩なのである。 マルクス主義は唯物史観というものをいっているというが、まさに物、つまりその代表である金こそがすべての政党なのである。今の世の中、政治家だけではないだろうけど……。 しかし、沙也加の父である日本国総理。 マルクス主義のきらいな父がきいたら何ということだろう……。 祖父の影響がつよい沙也加にとっては、父もそう見えるのである。 そして、マルクス主義の人は何ということだろう……。 世の中にはいろいろな人がいる、そうなんだけれど、沙也加はわかっていない……。 自分が思った世界がすべてだと思っているのだ。 世の中にはいろいろな人がいるというのに……。 しかし、沙也加にもいいところはある!
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