ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

推薦図書

2012-08-19 23:42:39 | Weblog
あまり外をフラフラしないほうがいいだろう、ということで、
今日は、前の大家さんから払いすぎた家賃を戻してもらった以外は、
ずっと家の中で読書をした。

前の大家さん夫婦は、年取ってからできた10代前半の女の子の3人で来たのだけど、
親子の会話は、標準語で行われていたので、
私が「夫婦間は上海語なのに、子どもとの会話で上海語は使わないの?」と聞いたら、
「いまの10代は、上海語を聞き取れるけど、話せない」との答え。

いま上海に住む人の3分の2が、上海以外の土地から来た人。
子どもが小さいときにお願いするアーイーさん(保母さん)も、よその土地の人、
学校でも「上海語はなるべく使わないで標準語を話そう」という方針らしく、
上海人の子どもでも、上海語が話せないというケースが増えているらしい。
アーイーさんではなく、祖父母に育ててもらっている上海人の子どもは、
上海語が身につく可能性があるけど、学齢に達したのちの友だちとは標準語だから、
大人レベルの上海語をマスターする機会は減っているとか。

上海語の音が大嫌いな私だけど、やっぱり少し、さびしい気はする。

さて、今日、読んでいたのは『秘録 陸軍中野学校』(畠山清行著、保阪正康編、新潮文庫刊)

まさに、ありもしない領土問題が捏造され、針小棒大に騒がれてる今日こそ、
読むのにふさわしいと思った。

むかし韓国人に言われたことがある。
「本気を出すとやはり日本人は優秀だ。勝てないからこわい」と。
中国人も、やっぱりどこかで日本人には一目置いている。

いくらテレビドラマで反日を煽ったり、そういった教育をしても、どこかで本物が残る。
中国人の場合、いま中国という国や政府を一番信じていないのは中国人自身だ。
戦時中悪いことをした日本人はもちろん少なからずいるけれど、
表面的な名誉やお金に踊らされるのではなく、
アジア各国の人と本気で付き合おうとした日本人もいた。
そういった記憶は必ず残る。

謀略を為そうと思ったら、本気で対象と向き合わないとできない。
お金や武器で何とかなるだろうと思っているのは、日本という島国から出たことがない人だ。
いま、日系企業は「現地化」の難しさに直面しているけれど、
この悩みは昔も今も変わらない、というか、昔より下手くそになっているんじゃないかとすら思う。

海外に赴任するなら、特にアジアで働くのなら、この本は読んでおいたらいいと思う。