(新)緑陰漫筆

ゆらぎの読書日記
 ーリタイアーした熟年ビジネスマンの日々
  旅と読書と、ニコン手に。

写真 みやこの冬紅葉

2018-12-01 | 写真
写真 みやこの冬紅葉
              写真は、光明寺の参道の紅葉です。

 『源氏物語』第21帖「少女(おとめ)」では六条の院という、大ハーレムが完成し源氏の女君たちがそこへ移り住む。西南は秋の景色を写して見事な造園でとなった。その中に、紅葉についてのこんな一文がある。

 ”九月になれば、紅葉むらむら色づきて宮のお前えもいはずおもしろし。風うち吹きたる夕暮れに、御箱の蓋(ふた)に、いろいろの花 紅葉をこきまぜて こなたに奉らせたまへり・・・”

これは梅壺の宮が紫の上に紅葉などを贈るシーン。     


 そんなこんなで、古から紅葉狩りなどと言って、紅葉を愛でるのは世の常。まして京都の人たちは、深秋から初冬にかけていそいそと紅葉を見にでかける。。青もみじで知られる東福寺から始まり、永観堂、曼殊院、桜紅葉なら哲学の道、京都御所はいわずもがな。また、大徳寺塔頭の一つ、高桐院。嵯峨野に至れば、天龍寺、二尊院、厭離庵、祇王寺。長岡京では、何といっても光明寺。ここの紅葉も素晴らしいものがある。今では、有名になりすぎたが・・。

  ”はじめより掃かでありたる散紅葉” (後藤夜半)

そして並み居る紅葉のスポットのなかで、大原野にある善峯寺の紅葉は圧巻である。

その紅葉が今年の京都では、どのようになったか。二度にわたる大暴風雨の影響が大きく出て、かなりの大木は倒れ伏し、紅葉の葉も水分を強風にさらされて、赤茶けたようなものが少なくなかった。実際はどうであったのか。いくつかの紅葉のスポットを訪れてみた。天龍寺塔頭の宝厳院、周山街道を走って高山寺、それに嵯峨野の鹿王院。


(善峯寺)2年前。

 その前に、例年の紅葉の素晴らしさを善峯寺に、見てみよう。長岡京から車で30分ほど走る。山門を潜って、36万坪という広大な境内を斜面に沿ってゆるゆると上がってゆく。至るところに枝垂れ桜、楓の木々がある。奥の院の薬師堂からは、前方に東山連峰を望み、眼下に京都市街がみわたせる。かなり前に桜の時期に訪れて、満開の枝垂れ桜が美しかったことを思い出した。そして二年ほど前、さぞ紅葉も美しかろうと遠来の友人を案内して訪れたた。説明する言葉も要しない。ただただ紅葉の美しさに酔いしれた。

  

  


  

  
 
  


(宝厳院)今年。

 嵯峨野にある天龍寺の塔頭の一つ。獅子岩など巨岩を配した庭園は見ごたえがある。ここを訪れたのには訳があった。襖絵に田村能里子の「風河燦々 三三自在」が公開されていたからである。あの田村レッド!を堪能した。(田村能里子の絵については、以前にこのブログで取り上げているので、そちらをご覧頂きたい)

入り口から入って庭園を巡っておく。嵐山を背景に楓などの木々が紅葉していたが、順光でみると、なにやら赤みがかった紅葉である。さほど魅力的とは思われない。ところが、庭の奥の方に周ると、逆光で紅葉をみることになる。がぜん、美しさを発揮する。そのあたりの写真をご覧いただきたい。

 
 ”裏を見せ表を見せて散る紅葉” (良寛)



     




     





     


なんと健気に、紅葉してくれているではないか。ある京都の友人は、次のように、つぶやいた。

 ”大雨、酷暑、台風を乗り越えた今年の紅葉。色づいてくれて、ありがとう。
  励ましの気持ちで愛でる今秋です。”



(お気に入りの紅葉/黄葉スポット)


 今年のものではないが、京都の紅葉・黄葉のお気に入りのスポットがいくつもある。そのうちの数枚ご紹介させていただく。

 真如堂の紅葉

     



 京都家裁の冬紅葉 あまり知られていないスポット。

     

     

     


 京都御所 拾翠亭よこの小径

     


 京都御清和門を望む 紫式部は、この門を潜って道長のもとに『源氏物語』の各帖を届けている。住まいは、ここからすぐ近くの廬山寺である。

     



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 みなさま、京都の冬紅葉はいかがでしたか。お楽しみいただけましたでしょうか? まだまだ見るべき紅葉スポットがあります。来年になったら古都奈良の紅葉も見てみたいですね。春日山原生林の自然の中の紅葉もいいものです。



(余滴)
 あれこれ京都の紅葉について紹介していましたら、”滋賀にはもっと素晴らしいところがあるよ”、と知人が教えてくれました。教林坊という安土にあるお寺です。聖徳太子の創建とか。滋賀は、このほか東近江にも永源寺という紅葉の名所があります。来年は、滋賀にも回りたいですね、


   


   










コメント (4)
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