金木犀、薔薇、白木蓮

本と映画、ときどきドラマ。
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182:宮本常一 『イザベラ・バードの日本奥地紀行』

2019-11-12 19:04:58 | 19 本の感想
宮本常一『イザベラ・バードの日本奥地紀行』(平凡社)
★★★★★

【Amazonの内容紹介】

西の大紀行家・イザベラ・バードの名紀行を、
東の民俗学者・宮本常一が読む。
日本民族と日本文化の基層を成す岩盤を、深く鋭く穿つ!
未来社84年刊の「古川古松軒 イサベラ・バード」の
イザベラ・バード篇を改題。

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イザベラ・バードはその名前と
「明治期に国内を旅行してその記録を残している女性」
くらいのことしか知らなかったのだけども、
たいそう面白くて夢中になって読んだ。

講義を文章に落とし込んだからなのか、
非常に平易な言葉で説明されていて、
著者の持つ知識と組み合わせった考察が楽しい。

明治時代になっても、そこらじゅう(家の中にも!)に
たくさんの蚤がいて、それが当たり前だから
日本文学で蚤については言及されなかったこと、
盲目が増えた原因は性病だったこと、
北の方では西瓜は作られていなかったこと、
田舎には入浴の習慣がなく、着物が汚れるのを防ぐために
半裸~裸で過ごしていて全体的に不潔だったこと、
人々は物見高くて、外国人であるバードを見に
押しかけてきたこと、当時の人々のアイヌ観……等々、
知らないことがいっぱいで、楽しめた。

西日本で発達した町は、通りに沿って街が作られていったけれども、
江戸は昔からあった地名を抱え込んだまま町が作られた……なんて話も
なるほどであった。




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